
【ソフトウェアテスト】QC7つ道具と新QC7つ道具 ①
生産の分野における管理手法に関して、各種データの分析に使用する代表的な7種類の手法が、QC7つ道具と呼ばれています。
もともとは工業系生産などの製造現場における品質に関して、顧客信頼度を高めたり現場の問題解決に取り組むための視点として、品質管理の思考が波及しました。
そのことから、管理の手法を明示化することで、手法を用いて誰でも品質管理に取り組むことができるようになることを目的としてさまざまな手法が作成されました。
それらの中でも特に代表的なものがQC7つ道具と呼ばれるようになりました。
ソサエティー5.0が提唱されている現代において、市場や製造現場におけるソフトウェア関連開発業務の割合は増えています。
ITの基本資格でもある基本情報技術者試験のストラテジ系領域の内容にもQC7つ道具に関する問題が含まれており、ソフトウェア開発現場におけるQC(Quality Control)活動においても、QC7つ道具の利用される場面は増えています。
QC7つ道具は主に、数値などの定量的分析が可能なデータを取り扱う分析の際に用いられる手法です。
定性的な事象の分析に用いるような手法は新QC7つ道具として別でまとめられています。
※以降に記載する図の中でも定性的事象分析に使用できる図はあるため、QC7つ道具が必ずしも定量的分析にしか使用しないものというわけではありません。
1. QC7つ道具の種類

資料により名称が違うこともありますが、おおよそ以下の7つに分類されています。
・パレート図
・特性要因図
・グラフ
・ヒストグラム
・散布図
・管理図
・チェックシート
2. パレート図
要素の値が大きい順に並べた棒グラフと、各要素の値を順に加算した折れ線グラフを重ねた複合グラフです。
全体を構成する値の中で事象が集中している点を分析するABC分析手法で用いられます。
ABC分析は商品の売り上げ・コスト・在庫といった指標に対して重視する項目を決め、項目の構成比からグループをABCの3グループに分類し、優先度を管理する手法です。
全体に対して約70%を占めるグループをAグループ、70%~90%を占めるグループをBグループ、90%以上をCグループとして分類し、グループから優先度や重要度を認識して管理運用の判断に活用します。
・パレート図
3. 特性要因図
結果や課題を「特性」として、特性に関係していると考えられるものを「要因」、要因のなかでさらに影響していると考えられるものを「原因」として、要因は特性へ向かうように矢印で関係を記し、要因の矢印にはさらに関連している原因からの矢印が向かうように図示する形式で記載します。
・特性要因図
4. グラフ
「層別」はデータを項目別に分類する手法であり、データを加工する前に整理するような役割として、QC7つ道具の各手法に適用できるため、「層別」自体を7つ道具の一つとは表記せず、層別を適用して作成するさまざまな形式の「グラフ」をQC7つ道具とする場合があります。
「層別」はリレーショナルデータベースの正規化のようなイメージです。
・層別
グラフにはさまざまな種類がありますが、主にQC7つ道具として品質管理で用いられるグラフは以下のものです。
・折れ線グラフ
・棒グラフ
・円グラフ
・帯グラフ
・レーダーチャート
折れ線グラフは、横軸が時間、縦軸が数量などの数値で作成します。
主に時間経過による数値の変動を分析する際に用いられます。
・折れ線グラフ
棒グラフは、横軸を項目別、縦軸を数量などの数値で作成します。
各項目の数値を並べて表示することで、他項目の数値との大小比較を把握しやすくなります。
・棒グラフ
円グラフは、各項目の数値が全体でどの程度を占めているかという割合の数値で作成します。
基本的には大きい数値から順に時計回りで表示し、各項目の割合を視覚的に把握しやすくなります。
・円グラフ
帯グラフは、円グラフ同様に割合を示すグラフです。
横向きの長方形で全体を100%として、長方形内に対象の数値を割合として表示するグラフであり、割合を表す点は円グラフと同様ですが、同様に割合を集計した他の帯グラフを並べることで、全体の割合の内訳を他の帯グラフと比較することができます。
・帯グラフ
レーダーチャートは、複数項目における複数の値を正多角形上に直線でつないだ図形で表す形式です。
対象の各項目の数値のバランスを表す際に適したグラフです。
・レーダーチャート
5. ヒストグラム
ヒストグラム化する前の数値は度数分布表と呼ばれる表形式で表されます。
集計したデータの数値がどの範囲で偏っているかを視覚的に明確にすることで、偏りに対しての管理やアプローチを検討する際に活用できます。
・ヒストグラム
例に示したヒストグラムは一般型と呼ばれる種類になりますが、このほかにも以下のようにデータの偏り方により種類が分かれています。
・ピークとなる山が2つあるふた山型
・山と谷の凹凸が不定期に並ぶ歯抜け型
・中央ではなく左右どちらかに山が偏る右裾引き・左裾引き型
・ピークが右か左の端に来ている絶壁型
・いずれか1箇所に数値が0の谷ができている離れ小島型
等
ヒストグラムの形状からそれぞれの型を見ることで、集積したデータの正常性や傾向を分析することができます。
6. 散布図
縦軸と横軸で該当する位置を点で表記し、点の集合の形で2つのデータがどのような相関関係にあるのかを分析することができます。
分析対象とするテーマに対して、2つの数値をもつ項目同士を集計比較し、1つめの数値と2つめの数値の増減には関係があるかを分析するような場面で利用されます。
・散布図
点の集合を全体的に囲って見た形から、主に3つの型で判別します。
囲った輪の形が右肩上がりに集まっているなら、正の相関といえます。
一方の数値が大きくなるともう一方の値も大きくなるという相関関係にあります。
囲った輪の形が右肩下がりに集まっているなら、負の相関といえます。
一方の数値が大きくなるともう一方の値は小さくなるという相関関係にあります。
打点が全体的にまんべんなく広がっていたり、偏りがまとまらないような散り方をしているような場合は、相関関係がないといえます。
7. 管理図
製品の品質管理に用いられる折れ線グラフ形式のグラフです。
平均となる数値を中心線(CL)、中心線から上下に管理限界線である上部管理限界(UCL)と下部管理限界(LCL)を設けて、中心線を軸に対象の数値が上下にどのように振れているか、また、上部管理限界と下部管理限界にどの程度迫っているかを見ることで、安定性や異常原因に対する許容の度合いを管理する際に使用します。
・管理図
8. チェックリスト
確認すべき事項を明示することで、作業や確認の抜け漏れを防止するために用いられるものです。
表形式や箇条書きなど形式はさまざまですが、Excelやスプレッドシートなどの表形式で作成されることが多いです。
9. 追記
QC7つ道具は主に数値や数量などの数字を元に分析するためのダイアグラムです。
しかし、品質管理においては数値による分析のみでは対処が困難なものもあるため、定性的な事象にも対応できるようなQC7つ道具とは別の主な分析手法として、新QC7つ道具が存在します。