【インフラエンジニア】初心者が押さえておきたい言語とスキル
インフラエンジニアはシステムの基盤となるインフラ部分(OS・ネットワーク・サーバ)の設計・構築・運用・保守を行います。
そのため、インフラエンジニアにとってプラグラミング言語の学習は必須ではありませんでした。
しかし、近年インフラエンジニアを取り巻く環境の変化からプログラミング言語の習得が求められ始めています。
そこで本記事では、
・プログラミング言語の習得はなぜ必要なのか?
・他にどんなスキルが求められているのか?
を技術的なトレンドを交えて紹介します。
1. インフラエンジニアもプログラミング言語を学ぶべき理由
インフラエンジニアもプログラミング言語を習得した方が良い理由は2つあります。
1-1. クラウド案件の増加
インフラエンジニアのクラウド案件は今後も増加していくことが予想されます。
令和4年に総務省が実施した2017年から2021年の日本企業におけるクラウドサービスの利用状況の調査結果*1では、2017年には56.9%の利用率が2021年には70.4%と上昇傾向にあることを示しており、ITシステムのクラウド化は今後も拡大するとを予想しています*2。
そのため、現在はITシステム基盤をオンプレミスからクラウドへ移行する案件が増えており、移行後もどのようにクラウドを活用・運用していくかといったクラウド案件が増加するといえるでしょう。
*1 総務省|令和4年版 情報通信白書|データ集(第3章第6節)
*2 総務省|令和4年版 情報通信白書|クラウドサービス市場の動向
1-2. 業務効率化、スキルアップ
端末ごとに手動で環境設定するよりも、コード化して設定することで異なる端末間でも同じ環境の再構築が可能となり、さらには人為的なミスも削減することができます。
これにより、作業時間の短縮や作業効率のアップによる業務効率化を実現できます。
また、プログラミングを学びスキルアップをすることでフルスタックエンジニアとして自身の市場価値を上げることもできます。
エンジニアの数は急増しておりますが、インフラからサービスのフロントまでを対応できるフルスタックエンジニアの数は未だに少なく重宝されています。
2. インフラエンジニアにも役立つプログラミング言語
前項でプログラミング言語の習得の必要性について説明しましたが、プログラミング言語も多種多様であり、インフラエンジニアにとって向き不向きがあります。
インフラエンジニアはサーバ、ネットワークに関わることが多いことを踏まえたうえでアプリ側にも汎用性のある言語を4つ紹介します。
2-1. シェルスクリプト
厳密にはプログラミング言語とは異なりますが、インフラエンジニアであれば必ずといって良いほど関わる機会の多い言語です。
Unix系のOS上でシェルに対して命令やスクリプト実行などのコマンド操作を効率的に行うことができます。
また、サーバー管理処理やコマンドの自動実行などよく使用する処理をまとめて記載しておくことでバッチ処理にも使用できます。
シェルスクリプトにはいくつか種類がありますが、代表的なのはBashです。
2-2. Python
インフラからWebアプリケーション開発までできる汎用性の高い言語です。
また、LL言語(軽量プログラミング言語)でありLinux系OSに標準搭載されているためインストールをせずに始められる点で未経験者にも取り組みやすいです。
インフラエンジニアの業務にはファイルのインポート、ノード監視、ログ調査などを行いたい時でもPythonであれば記述が可能であり、自動化も行えます。
また、次に紹介するRubyとの違いにAI・ディープラーニングにも対応範囲が広い点があります。
2-3. Ruby
日本人によって開発された言語のため日本語の情報が多く習得しやすい言語です。
また、シンプルなコーディングが特徴であり、ライブラリも豊富で未経験者でも取り組みやすいです。
Pythonと同様にRubyもLL言語であり、インフラからアプリケーション開発まで幅広く対応しています。
Pythonとの違いもほとんどないため、英語でドキュメントを読むのが苦手な方にはRubyの習得をお勧めします。
2-4. Java
大規模なシステム開発に採用されるケースが多く、求人数も多いことが特徴です。
オブジェクト試行型のプログラミング言語のため、PythonやRubyに比べると習得難易度は高いです。
業務用システムやWebアプリ、スマホアプリなど様々なところで活用されています。
また、古くから使用されている言語なので優良なフレームワークが多いのと他システムとの親和性の高い言語なので、インフラエンジニアに関わらずおすすめの言語です。
3. インフラエンジニアに求められるその他スキル
インフラエンジニアにプログラミング言語の習得が必要な理由を説明してきました。
ここでは、プログラミング以外でインフラエンジニアが身につけておきたいスキルを紹介します。
3-1. 英語力
英文を理解する読解力が必要です。
最新のITトレンドのキャッチアップをする場合、ほとんどが英語圏から発信されます。
そのため一早く情報をキャッチして実際の現場に活かすことに役立ちます。
また、利用する製品が海外の製品という場合も多く、その場合マニュアルは英語しかないことがほとんどです。
システムを設定する際やトラブル対応時には一度は確認することになるため、最低限の英語力は欠かせません。
3-2. コミュニケーション力
インフラ部分の構築が主な業務であるインフラエンジニアですが、クライアントの要件を満たしたインフラ構築をしなければなりません。
そのためにはクライアントとの会議やメールのやり取りなどで密に会話をして適切にクライアントの要望を把握したり、システムの進捗状況の共有を行う場面がよくあります。
また、実際の開発は複数人、もしくは複数チームで取り組むことが多く、自身のチームメンバーや他チームのメンバーとこまめに連絡を取る必要があります。
3-3. イレギュラー対応力
システムは基本的に24時間365日稼働しています。
そのため、ハードウェアの故障、アクセスの集中によるサーバーダウンなどのトラブルが突然発生します。
インフラエンジニアとして働く上ではトラブル発生時の緊急対応も業務の一つです。
また、大規模なシステムになるほど一つのトラブルが影響する範囲が大きくなるため、緊急時は迅速に解決することが求められます。
そのため常日頃から、起こりやすいトラブルなどの対処法を勉強すると良いでしょう。
4. まとめ
インフラエンジニアはサーバやネットワークなどのITインフラ全般を担当するエンジニアです。
ITインフラ全般を担当する点は以前と大きく変わりありません。
ただ、近年のオンプレミスからクラウドへの利用状況の変化からインフラエンジニアにもプログラミング言語を扱えることが求められています。
また、より市場価値の高いエンジニアとして活躍する上でもプログラミング言語をしてキャリアの幅を広げましょう。