【初心者用】ELTツールについて

公開日: 2024/9/4
次の案件先でデータベースの操作をすることになり、ETLツールなども使用することになるので、ETLツール関連について学びたいと思います。

1. そもそもETLって何?


ETLとは、「Extrac(抽出)」、「Taransform(変換)」、「Load(書き出し)」の略語となっています。

様々なシステムやデータベースからデータの抽出を行うことができ、利用しやすいようにフォーマットを変換して、データウェアハウスに記述する一連のプロセスとなっています。


ETLは基本的にはデータウェアハウスに、データを保存する際の前提の処理として行われています。

また、データウェアハウスに記述されたデータに関しては、整った状態で記述されているので、BI(ビジネスインテリジェンス)などの分析に活用できます。


上記の作業をETLツールを使用せず、手動で各システムのデータを抽出・加工するには膨大な時間が必要になります。

また、手動でした場合には各システムにデータが散在したままの状態や格納して整理せずに蓄積されたデータなどが長期間放置されてしまうという状態になってしまう可能性もあります。

2. ETLの機能について


ETLツールには抽出・変換・書き出しなどの一連の処理があります。

各工程の詳細について以下にまとめます。

2-1. 抽出(Extract)

複数システムのデータを使用し活用するためには、まず各システムのデータソースからデータを抽出する必要があります。

この抽出のプロセスでは取り出すデータの構文を解析して、対象のデータかどうかの判別を行います。


また、データベースからデータを抽出する際には、どのような利用目的でデータを抽出するのかを明確にしてから作業を進めていきます。

このように、利用目的を明確にすることにより、不要な情報が抽出されないのでその後の作業を効率よく進めることが可能となっています。

2-2. 変換・加工(Transform)

上記の抽出したデータをターゲットのデータベースに記述する為に、一定の規則や関数に従って変換します。

どのように変換や加工が行われるのか以下にまとめます。

・クレンジング

データベースで生じているデータの重複や欠損を解消したり、表記ゆれを統一したりといったことを行います。

・マッピング

文字コードを一本化したり、特定のデータをアルタイ系会ら別の体系に変換を行います。

・マージ(統合)

特定のシステムに記録されている対象のデータを、使用する特定のシステム内に取り込みを行います。

2-3. 書き出し(Load)

変換・加工の最後の工程として、変換したデータをターゲットのデータベースに書き出して格納を行います。

従来はこうしたETLプロセスはプログラミングにより実現されていましたが、その作業は膨大な工数を必要としていました。 

ですので、最近では複数システムから必要なデータを抽出、変換、加工して、データウェアハウスに橋渡しをする一連のプロセスを効率化するためのETLツールが注目されています。

3. ETL・DWHとBI,EAIの違い


ETLを理解することで必要な用語について以下に解説致します。

・DWH

DWH(データウェアハウス)とは様々なシステムから、対象となるデータを集めて整理するためのデータ用の倉庫になります。

具体的にはETLにより抽出・加工をしたデータを保管するためのデータベースのことを表しています。

ETLを使用することでデータが時系列で保存されるため、分析に使用するための仕組みが整えられています。

・BI

BI(ビジネスインテリジェンス)とは、企業の情報システムなどに蓄積した膨大なデータを収集し分析を行うことで、経営などの意思決定に使用するツールとなっています。

ETLによってデータウェアハウスに保存されたデータを分析し、利用する為に可視化する為の役割を果たします。

・EAI

EAI(エンタープライズアプリケーション統合)とは、企業内の複数のシステムを連携させることで、データやプロセスの統合を図る仕組みやシステムのことを表します。

ETLが分散しているデータを収集しデータウェアハウスに保存することを目的としていますが、EAIはシステム間のアプリケーションを統合してデータのやり取りをします。

4. ETLツールのメリット


ETLツールを使用することにより、業務上の様々なメリットを得ることができます。

以下にETLを使用して得られるメリットについて説明します。

・データ統合の敷居が低くなる

ETLツールを使用することで、各プロセスをノンプログラミングで開発をすることができます。

そのため、開発作業は大幅に効率化することができ、専門的な知識を持たない人でもデータ統合を実現することができます。


基本的にはデータの統合には、各プロセスを実行する専用のプログラムを構築する必要があり、DBに見識があるエンジニア・プログラマなどといった人でなければできませんでした。

ですが、前述したとおりにETLツールを使用することでデータ統合の操作の敷居が低くなりました。

・データ分析・活用にリソースを割ける

ETLツールを使用することで、統合作業などに専門的な人材を割く必要が無くなります。

そのため、プログラミング開発の必要な工程を減らしてエンジニアやプログラマの工数を他に振り分けることができます。

そのおかげで、統合したデータの分析や活用などのよりコアな業務にリソースを投入することができます。

・人的ミスを削減できる

ELTツールを使用することで直感的な操作でデータを変換・統合することができます。

これにより、プログラムをゼロから開発して、データを統合する際にありがちなミスを防ぐことができます。

基本的にプログラミング開発ではデータを直接操作するため、人的ミスが起こる可能性が伴ってきます。

ですが、前述したとおりにELTツールはその人的ミスを防げるという明確なメリットがあります。

5. ELTツールの必要性


なぜELTツールを使用したデータ統合が必要とされいるのかを以下にまとめます。

・社内での開発スキルや工数がまかなえない

基幹システムなどに点在しているデータをデータウェアハウスに統合するには、それらを実行するシステムが必要となってきます。

その実行するシステムを自社内で構築するには、プログラミングに対して高度な知識が必要になります。

さらに、統合するデータベースの種類が多くなればなるほど開発工数がかかります。


ですが、ETLツールにはデータ統合に必要な部品を提供しており、それを組み合わせて使用することでデータを統合するシステムの構築ができます。

直感的な操作でシステム開発を行うことができるので、操作する為に1からプログラミングをする必要がありません。

これによって、データをデータウェアハウスに統合させるシステムの開発工数を減少させることができます。

6. まとめ

ELTツールについて簡単にまとめると

  ・専門的な知識が必要がなくデータ統合の敷居が低くなる

  ・データ分析・活用にリソースを割くことができる

  ・直感的に操作できるため人的ミスを削減できる

などといったメリットが、ELTツールを使用することで得ることができます。