プログラミングをはじめる前に知っておきたい!.NETエンジニアの需要と将来性は?
IT業界に携わる皆さんは、.NETという言葉を耳にしたことはないでしょうか。
2000年にリリースされた.NETは、さまざまな種類のアプリケーションを構築するために利用されており、今もなお現役で動いている有名なフレームワークの一つです。
この記事では、.NETの需要とその将来性について解説し、これからプログラミングを始める方や、インフラエンジニアからのキャリアチェンジを考えている方のキャリア選択に役立つ情報を提供します。
1. .NETとは
「.NET」とは、Microsoft社が開発した、Windows向けのアプリケーション開発フレームワークで、主に.NET Frameworkと呼ばれるアプリケーションを指す言葉として使われます。
.NET Frameworkは、WindowsのシステムやWebサービスなどの開発に利用され、Windows7以降のOSでは、デフォルトで搭載しており、近年では.netCoreというクロスプラットフォーム対応のフレームワークへと進化しています。
また、最大の特徴としてCLR(共通言語ランタイム)と呼ばれる機能により、入力された言語が共通のコードに変換されるため、複数のプログラミング言語で開発でき、他の言語で設計されたシステムとの連携も容易です。
1-1. C#.NET
C#.NETとは、.NET Frameworkで最も一般的に使用されるプログラミング言語の一つで、オブジェクト指向の特性を持った言語として知られています。
Microsoft社がJava言語に影響を受けて開発したこの言語は、高度な機能を持ちつつ、シンプルで直感的なコーディングが可能となっており、初心者からベテランのエンジニアまで、幅広い開発者から支持を受けています。
C#.NETは、デスクトップアプリケーション、Webアプリケーション、モバイルアプリケーションなど、幅広いアプリケーション開発に対応しており、ゲーム開発のUnityエンジンとの連携も得意としています。
1-2. VB.NET
VB.NETは、.Microsoft社が90年代に開発したVisual Basicの後継として、.NET Frameworkの登場と共に生まれました。
VB.NETの特徴は、その直感的な文法と視覚的なドラッグ&ドロップベースの開発環境を持つ特性から、初心者や非プログラマでもアプリケーションの開発を容易に始めることができます。
また、C#.NETと同じ.NET Frameworkのクラスライブラリにアクセスできるため、非常に強力なアプリケーションも作成することが可能です。
主に、WindowsフォームアプリケーションやWebアプリケーションの開発で用いられるVB.NETですが、ビジネスロジックやデータベース操作もしっかりとサポートしており、さまざまなプロジェクトで利用されています。
1-3. ASP.NET
ASP.NETは、Microsoftが提供する強力なWebアプリケーションフレームワークであり、動的なWebサイトやオンラインアプリケーション、Webサービスの開発を主目的として設計されています。
ASP.NETの主な魅力は、高速なパフォーマンスとスケーラビリティです。組み込みのキャッシング機能、セッション管理、および最適化されたコードの実行環境により、大規模なトラフィックを持つWebアプリケーションでも安定した動作が期待できます。
また、Webフォームを中心としたドラッグ&ドロップの視覚的開発ツールが提供されており、これにより迅速なアプリケーションの構築が可能です。
さらに、MVC(Model-View-Controller)アーキテクチャを採用したASP.NET MVCも提供されており、よりモダンなWebアプリケーション開発が可能となっています。
安全性もASP.NETの大きな特徴で、組み込みのセキュリティ機能により、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどの一般的なWeb攻撃からサイトを守ることができます。
1-4. .netCORE
.netCoreは、Microsoftが開発したクロスプラットフォームのフレームワークで、Windows、Linux、およびmacOSでの実行をサポートしています。
.netCoreの最大の特長はその柔軟性とモジュラリティです。
軽量で、特定のアプリケーションやサービスに必要なコンポーネントだけをインストールすることができ、これにより最適化された環境での動作が可能となります。
また、オープンソースとして開発されているため、コミュニティからのフィードバックや改善提案が絶えず行われ、技術の進化が速いのも特徴です。
これにより、最新の技術動向やセキュリティ対策を迅速に取り入れることができます。
.netCoreは、高いパフォーマンスを持つとともに、マイクロサービスアーキテクチャやDockerなどのコンテナ技術との統合も容易で、現代のクラウドベースのアプリケーション開発に適しています。
1-5. WPF
WPF(Windows Presentation Foundation)は、Windowsのデスクトップアプリケーション開発を主目的として設計されており、美麗なUIやアニメーション、3Dグラフィックスを実装することができます。
WPFの核心となる技術は、XAML(Extensible Application Markup Language)です。
XAMLは、XMLをベースとしたマークアップ言語で、UIのレイアウトやスタイルを簡単に記述できます。
また、WPFは、ハードウェアアクセラレーションをサポートしているため、高度なグラフィカルエフェクトや3Dビジュアルをスムーズに描画することも可能です。
WPFは、カスタマイズ性が高く、再利用可能なコントロールの作成や、テンプレートベースのUIデザインができ、独自のブランドやデザインを持つアプリケーションを効率よく開発することができます。
2. .NETの需要と将来性
ここまでご紹介した通り、.NET Frameworkは、Windowsをはじめとするデバイスやクラウドサービスとの高い互換性から、ビジネスアプリケーションの開発において中心的な役割を担っています。
特に、.NETは特定の言語への依存性が低いという点から、使える言語の少ないエンジニアでも生産性の向上が見込める点が大きなメリットと言えるでしょう。
.NETエンジニアの需要については、Windowsのアプリケーションが広く使われている現状で、Windows向けのフレームワークである.NETやその周辺言語を使えるエンジニアの需要は高く、年収600万円を超える求人案件も見られます。
今後においても、.NET環境で開発されたアプリケーションが存続する限り、そのアップデートのために.NETを扱えるエンジニアの需要がなくなることはないと考えられます。
しばしば比較対象とされるJavaとも得意領域が異なるため、一方のみが衰退していくことも考えにくいでしょう。
3. まとめ
近年では、IoTデバイス、AI、クラウドサービスの急速な普及と共に、.NETの需要はさらに拡大しています。
Microsoftは、.NETの各フレームワークを定期的に更新し、新しい技術や市場のトレンドに迅速に対応しています。
例えば、.netCoreのようなクロスプラットフォーム対応フレームワークの導入により、異なるOS上でのアプリケーション開発をより効率的に行うことができるようになりました。
さらに、クラウドネイティブのアプリケーション開発やマイクロサービスの導入を容易にする機能も強化されており、これにより開発者はハイブリッドクラウド環境での動作に最適化されたアプリケーションを構築することが可能です。
.NETはその技術の進化とともに、多様化するビジネスニーズやユーザーの要求に柔軟に応えることができる強力なフレームワークとして、今後もその需要と将来性が継続的に高まっていくでしょう。