【初心者用】COBOLとは
直近でCOBOLの案件に行く可能性があるので、COBOLとはどういうものかまとめようかと思います。
COBOLは最新の言語ではありませんが、現在でも金融系などで使用されています。
ですので、化石のような言語ではありますが、需要自体はあるようなので改めて学ぼうかなと思います。
1. そもそもCOBOLって何?
COBOLとは1950年代に誕生した事務処理用の汎用コンピューター言語です。
最初期のプログラミング言語となっており、60年以上たった現在でも金融系や保険会社や証券会社などの業界で使用されています。
COBOLは信頼性と安定性に優れた言語なので、上記のような重要な機関のシステム構築に使用されています。
そのため、かなり昔の言語になっていますが、金融系や政府機関などの業界で未だにCOBOLのレガシーシステムが長い間稼働しています。
大規模なトランザクション処理を行っており、COBOLは堅牢性、安全性、信頼性が評価されており長く使用されています。
近年はJavaなどの新しく大規模開発に向いている汎用性が高いプログラミング言語が登場しており、今ではCOBOLは古い言語として使用されることはなくなりました。
ですが、金融業界と医療保険業界ではCOBOLからシステムを更新することが難しいため、未だに大手企業ではCOBOLを使用しています。
ですので、新規開発は少ない言語ですが、扱える人材が少なく逆に需要が高い言語でもあります。
2. COBOLの特徴・メリット
COBOLは長い歴史があり、その安定性と信頼性から金融機関や政府機関などでも事務処理などで未だに利用されています。
COBOLは様々な特徴があり、以下にその特徴をまとめます。
2-1. 可読性が高い
COBOLの特徴として可読性が高いという利点があります。
なぜかというと、COBOLの文法は英語に似ているので、自然言語に近い文法のためプログラマーではない人でも理解しやすい言語となっています。
また、COBOLのプログラムは部、節、段落、文のような構成となっており、作成したプログラム自体がシステムのドキュメントとして使用できます。
ですので、別途で説明用のドキュメントを作成する必要がなく、その分が時短できるのがメリットとなります。
2-2. 保守性が高い
COBOLは誕生した時から半世紀以上にわたり修理や交換などの保守管理が行われており、長い間使用されている保守性が高いプログラム言語となっています。
COBOLは可読性が高くエンジニア以外の人でも理解ができるので、専門性が低くなり誰でも比較的簡単に保守作業を行うことができます。
2-3. 処理を高速で行える
COBOLはデータの書き込みなどの作業を高速で実行することができます。
元々COBOLは事務作業を行うことを目的として開発されており、高速で処理を行うことを強みとしています。
大量のデータをソートやファイルに書き込むなどといった作業を高速で行うことができ、このような業務を行う金融機関などの業界ではバッチ処理などを作成して使用されています。
2-4. 様々なファイルやコンピューターで扱える
COBOLは上記の3つのファイルがサポートされており、順ファイルに関してはレコード順・プリンタ順・行順という3種類がサポートされています。
また、COBOLはWindows、Linuxなどの様々なコンピューターで扱うことができ、そのため、COBOLで作成したシステムはOSに依存せず、あらゆるOSで使用することができます。
異なるプラットフォームでシステムが動作するため、既存のアプリケーションを新規の環境に移植した際にも問題なく動作をすることができます。
2-5. 計算処理などに向いている
COBOLはデータを10進数で表現することができ、四則演算などの計算処理を行うのを得意としています。
コンピューターが理解できる機械語は0と1の2進数で表されており、各プログラミング言語はコンパイルを行うことで機械語に変換します。
また、計算結果を2進数から10進数へ変換する際に、誤差が発生することで正確な結果を表示することができないなどの場合がありました。
そのような誤差を起こさないようにCOBOLは設計されているため、計算に関しては他の言語よりも精度の高い演算が可能となっています。
2-6. 事務作業で必要な処理が可能
COBOLは元々事務作業用の汎用プログラム言語となっているので、帳票の作成や帳票の出力などを簡単に行える言語となっています。
帳簿の作成や帳票の出力などの作業は事務作業を行う上で重要な作業になります。
帳簿は企業に関する取引や資産等の資金関連の流れについて記録されたもので、帳票は会社間における取引や皆生に関する記録の仕様になります。
COBOLは帳簿を出力する際には、出力したい項目を設定することで自由に作成することができます。
また、帳票で出力する際に項目を定義したり印刷のフォーマットの指定をすることができます。
上記の理由がありCOBOLは政府機関や金融機関で長い間書類作成などに使用されていました。
3. COBOLのデメリット
COBOLは歴史が長く保守性や安全性が高い良い言語ではあるのですが、近年では他に使用できる言語が多く開発されてしまいました。
その中で、COBOLもいくつかのデメリットがあるので以下にまとめたいと思います。
3-1. 扱えるエンジニアが少ない
COBOLでの開発はオープン系システム開発に使用するJava、C#などの言語が主流になっているので減少しています。
COBOLは新規開発が行われず将来性はないので、若手のエンジニアが選ぶことが少なくなっており、技術者が年々減少する一方になっています。
そのため、現在ではCOBOLの返金年齢などは40~50代が多くなってしまいエンジニアの高齢化が問題になっています。
上記のような理由があり、今の年齢層が高いCOBOLエンジニアがどんどん引退を迎えていくと、COBOLエンジニアの絶対数が不足していしまいます。
そうなった場合は、COBOLシステムを扱える人材がいないため、システムがブラックボックス化してしまうリスクがあります。
3-2. 新規案件が少ない
既に様々な言語が出現しており、COBOLを使用した新規の開発案件はほとんどなくなっています。
COBOLは新規の開発案件自体はありませんが、保守案件については企業から多くあります。
現在ではCOBOLの安全性や信頼性の面から他言語に移行するのを消極的な企業が多く、保守案件についてはエンジニアが減少しているので多くあります。
ですが、今後新言語で移行するコストや安全性の面からメリットが多くある場合は、COBOLからの移行が進み需要はなくなります。
ですので、現在は需要はあるもののCOBOLの将来性はほとんど無いと言ってもいいレベルになっています。
本当に初心者でCOBOLに骨を埋める覚悟がある場合は学ぶのは良いかと思います。
4. まとめ
COBOLの需要等は未だにあるので、すぐに仕事がなくなることはありません。
ですが、COBOLを覚えて他の案件に活かせるのかは難しいものがあります。
COBOLを学ぶ際には将来性なども含めて、COBOL+αでできることを増やしておく必要があるかと思います。