ローコード開発とは?ノーコード開発との違い、メリット・デメリットを徹底解説!

公開日: 2024/8/12

近年、IT業界では、プログラミングの知識やスキルがなくても、簡単にアプリやウェブサイトを作成できる「ローコード開発」が注目されています。

ローコード開発とは、何なのでしょうか?また、「ノーコード開発」とどう違うのでしょうか?


この記事では、ローコード開発の概要やメリット・デメリットについて解説します。

1. ローコード開発とは


ローコード開発とは、できる限りコードを書かずに短期間でソフトウェアを開発する手法を指す言葉です。

コードを書かない代わりに、GUI(Graphical User Interface)による視覚的な操作を用いることで開発を進めていきます。


ローコード開発のやり方は、Webブラウザーなどのコンピューターの画面上で必要な部品を選び、部品同士を組み合わせながらシステムやアプリケーションを作っていきます。

そのため、ローコード開発はプログラミングの知識やスキルが乏しくとも、プログラムを作ることが可能な開発手法です。

1-1. ノーコード開発との違い

ローコード開発と似た手法である「ノーコード開発」とは、完全にGUI操作のみで開発し、コードをまったく記述しない開発手法です。

ローコード開発とノーコード開発の主な違いを見ていきましょう。

1-2. ノーコード開発とは

ノーコード開発は、文字通り「コードを書かない」開発手法です。

ローコードと同じくGUIを使用して、ドラッグアンドドロップや設定変更などの操作だけでアプリケーションやウェブサイトを構築することができます。

この手法は、プログラミングの知識がない人でも簡単に開発を行うことができるため、非技術者にも非常にアクセスしやすい方法となっています。

1-3. 柔軟性の違い

ノーコード開発のほうがより簡単で専門知識を必要としない手法なのですが、その分、柔軟性に欠けるところがあります。

なぜなら、コードが使えないため、提供されている機能やテンプレートの範囲内での開発となるためです。

これは、開発のハードルを大幅に下げる一方で、特定のカスタマイズや独自の機能追加が難しくなるというデメリットがあります。

一方、ローコード開発では、基本的な部分はGUIでの操作で足りるものの、特定の機能やカスタマイズが必要な場合にはコードを追加することができます。

これにより、ノーコード開発よりも高度なカスタマイズや独自の機能追加が可能となります。

1-4. 対象者の違い

ローコード開発とノーコード開発の違いは、対象とするユーザーにあります。

ノーコード開発は決められたアプリケーションをプログラミングを知らない一般ユーザーでも開発できるようにしています。

一方でローコード開発では開発の効率化を目的とし、ドラッグアンドドロップで開発できるようなプラットフォームを使用します。

そのため、ノーコード開発では全くプログラミング言語を知らなくてもアプリケーション開発ができるのに対し、ローコード開発ではある程度プログラミングの知識を必要とします。

1-5. 利用目的の違い

ノーコード開発は、特に小規模なプロジェクトやプロトタイピング、短期間でのアイディアの実現に適しています。

例えば、簡単な業務アプリやランディングページの作成、イベントやキャンペーン用の特設サイトなど、短期間での開発が求められる場面での利用が考えられます。

一方、ローコード開発は、中規模から大規模なプロジェクト、または継続的なアップデートやカスタマイズが必要なプロジェクトに適しています。

企業の業務システムやECサイト、大規模なウェブアプリケーションなど、長期にわたる開発や運用が考えられる場面での利用が最適です。

1-6. コスト面での違い

ノーコード開発は、初期投資が少なく、短期間での開発が可能なため、開発コストを抑えることができます。

しかし、長期的な運用や大規模なカスタマイズが必要になると、制限が多くなり、コストが増加する可能性があります。

ローコード開発は、初期投資はやや高めですが、長期的な運用やカスタマイズの自由度が高いため、トータルのコストパフォーマンスは良いと言えます。

特に、継続的なアップデートや機能追加が考えられる場合、ローコード開発の方が経済的に有利となることが多いです。

2. ローコード開発のメリット


ローコード開発は、プログラミングの知識やスキルが少なくても、簡単にアプリケーションやウェブサイトを作成できる方法です。

特に、小〜中規模のビジネスや個人のニーズに適しており、近年急速に普及しています。

ローコード開発の具体的なメリットを見ていきましょう。

2-1. 開発速度の向上

ローコード開発では、既存のコンポーネントやテンプレートを組み合わせて、目的に合ったアプリケーションやウェブサイトを作成できます。

これにより、コーディングやテストの時間を大幅に短縮できます。

2-2. コストの削減

ローコード開発では、プログラミングの専門家を雇う必要がありません。

また、開発時間が短くなることで、人件費や運用費も抑えられます。

2-3. 柔軟性の高さ

ローコード開発では、ユーザーのフィードバックや市場の変化に応じて、アプリケーションやウェブサイトを簡単に修正や改善できます。

また、様々なデバイスやプラットフォームに対応できるように設計できます。

3. ローコード開発のデメリット


ローコード開発は、効率的かつ低コストでアプリケーションやウェブサイトを作成できる方法ですが、一方で機能や品質などの面で制約や問題も潜んでいます。

ローコード開発を利用する際は、その特徴とリスクを十分に理解しておくことが重要です。

3-1. 機能の制限

ローコード開発では、既存のコンポーネントやテンプレートを利用するため、オリジナルの機能やデザインを実現することが難しい場合があります。

また、複雑なロジックやアルゴリズムを実装することも困難です。

3-2. セキュリティの問題

ローコード開発では、外部のサービスやプラットフォームに依存することが多いため、データの保護やアクセス管理などのセキュリティ面に注意が必要です。

また、サービスやプラットフォームの提供者が変更や停止を行う場合もあります。

3-3. 品質の低下

ローコード開発では、コーディングやテストの工程が省略されることが多いため、バグやエラーが発生する可能性が高くなります。

また、パフォーマンスやスケーラビリティなどの品質面にも影響が出る場合があります。

4. ローコード開発ができるツール


ローコード開発ができる具体的なツールとして、以下のようなものがあります。

これらの他にも多くのローコード開発ツールがありますので、自社のニーズに合った製品を見つけてください。

4-1. PowerApps

マイクロソフトが提供するローコード開発プラットフォームで、Office 365やAzureなどと連携して、ウェブやモバイルのアプリケーションを作成できます

4-2. Salesforce Lightning Platform

セールスフォースが提供するローコード開発プラットフォームで、CRMやマーケティングなどのビジネスアプリケーションを作成できます。

4-3. Kintone

サイボウズが提供するローコード開発プラットフォームで、データベースやワークフローなどの業務アプリケーションを作成できます。

4-4. OutSystems

OutSystemsが提供するローコード開発プラットフォームで、エンタープライズレベルのウェブやモバイルのアプリケーションを作成できます。

5. まとめ

この記事では、ローコード開発とノーコード開発の違い、ローコード開発のメリットとデメリットを解説しました。

ノーコード開発とローコード開発は、それぞれの特性や適用シーンに応じて最適な選択をすることが重要です。


簡単なアプリケーションやウェブサイトを迅速に構築したい場合はノーコード開発が適していますが、より柔軟性が求められる場合や独自の機能を追加したい場合はローコード開発を選択すると良いでしょう。

プロジェクトの規模や目的、開発期間、予算などの要因を考慮して、どちらの手法が適しているかを判断して、効率的かつ経済的な開発を目指して下さい。