テスト自動化について

公開日: 2025/7/28

近年、ソフトウェア開発の現場では“スピード”が勝負の鍵となっています。
ユーザーの期待に応え続けるには、頻繁なアップデートとリリースが欠かせません。

しかしその裏で、大きな課題となるのが「テスト工程」。
そこに立ちはだかる工数の壁や品質保証のプレッシャーを、解決へと導いてくれるのがテスト自動化ツールです。

今回は、実際に現場で自動化に携わってきた経験をもとに、テスト自動化の必要性や導入時のメリット・デメリット、代表的なツールの比較、そして国産の新興ツールまで、リアルな目線でお届けします。

1. テスト自動化とは?


テスト自動化とは、アプリやソフトウェア開発におけるテスト作業をツールで自動化する仕組みのこと。
開発の品質を担保しつつ、エンジニアの業務負担を軽減する重要な役割を果たします。

なぜ必要なのか?

現在、サービスは日々乱立し、熾烈な競争が繰り広げられています。
そこでカギとなるのが「開発スピード」と「リリースサイクル」。
自動化を導入すれば、テストの実行がスムーズに進み、リリースまでの時間が短縮され、最終的には売上にも好影響を及ぼします。
この背景から、多くの企業がテスト自動化ツールの導入を進めているのです。

2. テスト自動化のメリットとデメリット


メリット

 ・テストの高速化:短時間で大量のテストが可能
 ・人的コストの削減:手動作業の削減
 ・ヒューマンエラーの防止
 ・24時間実行可能:業務時間外でも自動で実行
 ・レポート自動生成

デメリット

 ・初期導入コストが高い
 ・仕様変更時のメンテナンスが大変
 ・すべてのテストに自動化が向いているわけではない
 ・長期運用には保守の手間が発生

実体験から感じたリアルなデメリット

 ・UIや仕様変更のたびにメンテナンスが必要で工数がかかる
 ・画像差分や画面サイズの違いによっては結局人の目で確認が必要
  → 自動化は確かに便利だけど、「楽=完全放置」とはならないのが現実です。

3. 自動化ツールの比較


現在、以下のようなツールが多くの現場で利用されています:

 ・Autify
 ・UIpath
 ・Selenium
 ・MagicPod

選定の際にチェックすべきポイント

 ・操作性:ノーコード対応、直感的なUI、ケース作成のしやすさ
 ・汎用性:データ保有、複数PC・同時実行への対応力
 ・実行環境:OS、ブラウザ、ネットワーク対応力
 ・カスタマーサポート:日本語対応の有無、応答スピード
 ・コスト:初期費用、ランニングコスト、従量課金制かどうか


ほとんどのツールには試用期間があるので、まずはトライアル利用で感触を確かめるのがベストです。

4. 各自動化ツールの特徴


1.Autify(日本語対応あり)
 ・ノーコードでテスト作成可能
 ・AIによる自動メンテナンス機能が魅力
 ・Web版とモバイル版を提供

■弱点:
 ・シナリオ管理が煩雑(並び替えやフォルダ分け不可)
 ・実行中の操作がやや重い
 ・実行回数によってコストが変動

2.UIpath(海外製・日本語対応あり)
 ・海外製ながら日本語サポートが比較的充実
 ・無償版や長期トライアルが魅力

■弱点:
 ・高性能PCでないと動作が厳しい
 ・一部機能は有料プラン限定
 ・英語ベースの設定が多く、初心者にはハードル高め

3.Selenium(多言語対応・完全無料)
 ・オープンソースでコストゼロ
 ・対応言語が豊富でサンプルも多い

■弱点:
 ・Webブラウザ専用
 ・プログラミング知識が必須

4.MagicPod(日本製・国産サポートが魅力)
 ・テスト回数無制限
 ・ノーコードでWeb&モバイル両対応
 ・日本語のサポートが手厚く安心

■弱点:
 ・画面単位で要素特定が必要で、シナリオ作成にやや時間がかかる
 ・標準機能以外のテストは作成不可

5. Sky株式会社の「SKYATT」とは?

弊社の主要取引先、Sky株式会社が提供する国産のテスト自動化ツール「SKYATT」にも注目です。

SKYATTの特徴

 ・自動化エンジニアによる導入支援サービス
 ・シナリオ作成代行で業務負担を軽減
 ・既存試験の自動化による品質改善提案
 ・日本語対応のCSで安心

他社製品と比較しても、導入~運用の手厚い支援体制がSKYATTならではの強みです。

6. まとめ

テスト自動化ツールは、単に「業務効率化」のためだけでなく、エンジニアとしての市場価値を高めるための大きな武器にもなります。

実際、転職市場では自動化経験者の需要が非常に高く、給与水準も上昇傾向にあります。
私自身も今後、SKYATTなどの国産ツールを含め、さまざまな自動化ツールを使いこなし、自動化エンジニアとしてのキャリアを積んでいきたいと強く感じました。

現場で求められるスキルを確実に身に付け、価値あるエンジニアへ。
皆さんもぜひ、自動化の世界に一歩踏み出してみてください。