【初心者用】AWS基礎⑨
前回は、「テクノロジーサポートのリソースを特定」の学習を進めてきました。
今回は「請求と料金」から進めていきたいと思います。
1. AWSの様々な料金モデルの比較対照
AWSでは、企業がサービス利用する時にビジネス計画やシステム特性に合わせてコスト効果が高いものを選べるようにしています。
EC2インスタンスの使用料金のオプション
ユースケースに合わせた料金オプションが用意されていて使い分けることで、コスト効果よくEC2を使用することができます。
・オンデマンドインスタンス
・リザーブドインスタンス
・スポットインスタンス
・Dedicated Hosts
1-1. ①オンデマンドインスタンス
EC2などのインスタンスを利用する場合、標準では適用されるのがオンデマンドインスタンスです。
特徴としては、初期費用なしで使用した分だけ支払う従量課金制です。
秒単位で使用した分が課金されるので、使用期間の制約はありません。
主な用途としては、開発・テスト環境のような決められた時間帯(平日の日中など)しかサーバーを使わない、キャンペーンなどで一時的にWebサイトを使うなどがあります。
1-2. ②リザーブドインスタンス
24時間365日(またはその75%以上)稼働し続けることが決まっているインスタンスがある場合、リザーブドインスタンスが最適です。
リザーブドインスタンスはあらかじめ決められた使用期間(1年or3年)分を購入することで、割引価格が適用されます。
支払い方法は、「全額前払い」「一部前払い」「前払いなし」の3種類から選択できます。
全額前払いにすると、途中で利用をキャンセルすることになっても払い戻しはありません。
主な用途としては、あらかじめ最低限の台数が必要なWebサーバーやアプリケーションサーバー、また常時起動しておく必要があるデータベースサーバーなどがあります。
15分でわかるAWSクラウドで コスト削減できる理由 (slideshare.net)
EC2ではリザーブドインスタンスがよく利用されています。
リザーブドインスタンスでは、「Standardタイプ」と「Convertibleタイプ」の2種類のタイプが提供されています。
「Standardタイプ」
リージョンやアベイラビリティゾーンを指定してインスタンスを購入できます。
同じインスタンス構成であれば、購入時に指定したリージョン内・AZ内の配置変更は可能ですが、それ以外の場所を変更する際には、変更手続きが必要です。
割引率が高く、最大72%の割引が適用されます。
「Convertibleタイプ」
あらかじめ指定したインスタンス構成に依存せずに、インスタンスのスペックやテナンシー(共有or専有)、プラットフォーム(OS)を柔軟に構成変更することが可能です。
最大54%の割引が適用されます。
●スケジュールされたリザーブドインスタンス
リザーブドインスタンスは常時稼働していることでEC2インスタンスの利用が割引されるのが前提だったのですが、特定の期間に限定して稼働したいというユーザーのニーズに応えて、AWSで「スケジュールされたリザーブドインスタンス」が提供されるようになりました。
これにより、ユーザーは特定の時間や期間(日時・週次・月次)でリザーブドインスタンスを購入することが可能になりました。
1-3. ③スポットインスタンス
最も割引率が高いオプションになります。
ユーザーがインスタンスを使用したいときに必要な量を使用できるように、未使用のEC2インスタンスのキャパシティ量によって価格が変動するスポット料金があります。
未使用のキャパシティが多ければ多いほど安くなります。
またスポットインスタンスの価格は需要と供給に基づいて調整されます。
スポットインスタンスはAWSによって中断されることがあり、処理途中で終了しても問題がないユースケースに向いています。検証やテストに最適です。
中断されるパターン
・Amazon EC2の空きキャパシティがなくなったとき
・指定した価格(リクエスト料金)よりスポット価格が上回ったとき
一定期間のインスタンス起動時間が必要な場合は、オンデマンドインスタンスかリザーブドインスタンスの使用を検討しましょう。
1-4. ④Dedicated Hosts
Dedicated Hostsは、Amazon EC2専有ホストを使用して企業のコンプライアンス要件に対応するものです。
インスタンスではなく、ホストに対しての従量課金制だという点で他の料金オプションと異なります。
2. AWS請求と料金に関連した多様なアカウント構造の認識
AWS Organizations
AWS Organizations を使用することで、複数のアカウントを一元管理できます。
複数のAWSアカウントをグループ化して、グループごとにポリシーを設定することができます。
また管理している複数のアカウントの請求を一括にまとめることができます。
3. 請求サポートに利用できるリソースの特定
AWS Pricing Calculatorについて
AWSを使用するときの料金の見積もりを作成できるAWS Pricing Calculatorについて
ユーザーガイド:https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/pricing-calculator/latest/userguide/what-is-pricing-calculator.html
どれくらいのコストがかかるのか、事前に見積もることができます。
TCO計算ツール
AWSへの移行、導入を検討している際に、オンプレミスで構築した場合とのコスト比較をレポートしてくれるツールです。
請求アラーム
AWSの料金体系は、サービスを利用した分だけ支払う従量課金制です。
そのため、初期費用は抑えられますが、きちんと管理していかなければ、料金が上がり続けます。
請求アラームを使用して、あらかじめ設定したAWSの料金を超えた時にユーザーに通知することができます。
請求アラームは、CloudWatchで作成することができます。
AWSのサービスのところでも学習してきたのですが、現在の使用状況などをCloudWatchによってモニタリングすることができます。
多彩な料金モデル
AWSサービスでは色々な料金モデルがあります。
ユーザーに最適な料金モデルを選択できます。
・EC2の購入オプション
・S3ストレージクラス
・EBSボリュームタイプ
Cost Explorerによるコストの可視化と傾向分析
Cost Explorerとは、AWSのリソース使用量やコストをグラフ化したり、分析したりすることができるサービスです。
過去のAWS利用料から将来のAWSの利用料を予測することができるので、コスト管理に役立ちます。
カスタムレポートを作成することもできます。
Cost Explorerでは、具体的に「可視化」「分析」「予測」の3つの機能があります。
●可視化
最大12か月分のコストデータをグラフ化します。
可視化グラフは以下のような表示が可能です。
・サービスごとの月次コスト
・AWSアカウントごとの月次コスト
・日次コスト
・月次のEC2使用時間・コスト
・リザーブドインスタンスのコストとオンデマンドインスタンスのコストと比較したコスト削減額
など
●グラフ化のイメージ
AWS コストエクスプローラーの使用開始 - アマゾン ウェブ サービス (amazon.com)
●分析
サービス、AWSアカウント、リージョン、AZ、インスタンスタイプ、タグなどの条件でフィルタリングして表示できます。カスタムレポートの作成も可能です。
●予測
過去の使用量から今後3ヶ月のコストを予測することができます。
コスト配分のタグ
AWSリソースにコスト配分タグをつけることで、タグごとのAWS使用料を確認することができます。
タグでフィルタリングすることで部門ごとのコストを集計することができます。
コストエクスプローラー
AWSのサービスは、タグを付ける
4. まとめ
AWSの基礎の部分について、一通り学習してきました。
図でいうと、左上のCloud Practionerです。
AWS 認定 – AWS クラウドコンピューティング認定プログラム | AWS (amazon.com)
AWS基礎として、どんなサービスがあるのか、そしてAWSを使用する際に知っておくべき内容など、大事なことを学ぶ機会ができました。
学び終えて、クラウドのメリットの大きさを感じました。
自分自身がAWSを使用する機会があれば、知識を活かしつつ、使用していけたらと思います。