Azureについて学ぼう

公開日: 2025/7/14

みなさんはAzureについてご存じでしょうか。今回はAzureについてなにか、メリット・デメリットはなにかを調査してまとめました。

Azureとは

正式名称はMicrosoft Azureです。略称はAzureになります。
読み方はアジュールです。

マイクロソフトの管理するデータセンターを通してPaaS、IaaSを提供するクラウドコンピューティングサービスです。合計で100を超える数のサービスを提供し、マイクロソフト独自とサードパーティ製の両方の多くのプログラミング言語、ツール、フレームワークが利用できます。IaaS における世界シェアは21%で2位となっています。

2008年のProfessional Developer Conferenceで発表され、2009年末までのサービス開始前の評価期間を経て、2010年1月に世界21ヶ国で正式にサービスを開始しました。2014年3月26日に旧称であるWindows AzureからMicrosoft Azureへの名称変更が発表されました。

1. Azureのメリットとは


1.サービスがクラウド上で展開されている

Azureを利用すれば事業者が提供するサービスに必要なホストやデータベースなどの設備は全てクラウド上で準備されます。
自社内で設備を持つ必要はないため、設備投資や保守要員が不要になります。また、初期導入コストを抑えると共にサービスの早期立ち上げが可能となります。
また、サービスの開発や運営についても基本的にクラウド上で行えるため、事業所の開設場所の制約も少なくなり、在宅ワークへの対応も容易になります。

2.コストが削減できる

Azureではクラウドでコンピュータを利用した分だけを支払う、重量課金制を採用しています。前払いは不要で、利用した分だけの費用を支払えば良いため、無駄なコストを削減できます。
また、もし将来の需要が予測できるのであれば、1年間あるいは3年間単位で予約することで、多い場合は72%の割引を受けることができます。

3.災害対策が万全

Azureではグローバルで60箇所の地域に160箇所のデータサーバを設置しており、それらが相互に接続されています。一部の地域で災害が発生したとしても他の地域のサーバでリカバーできるため、事業者のサービスを早期に回復させ、事業継続計画(BCP)に貢献します。
日本でも東京、埼玉(東日本地域)、大阪(西日本地域)の3箇所にデータセンターが置かれています。特に、日本のデータセンターでは大地震が来ることを想定して免震構造の建物に設備を設置しています。

4.拡張性が確保できる

Azureを利用すれば、Microsoftが所有していて全世界に広がっているデータセンターやバックボーンネットワークの一部を使ってサービスを提供することになります。事業者の提供しているサービスが拡大すれば、必要に応じてリソースを拡大して対応できます。
また、AzureではSQL Serveをはじめいくつかのデータサーバを利用でき、Oracleとも提携しているため、OracleをAzureのVM上に導入することもできます。

5.日本の法律が適用される

海外事業者のクラウドサービスを利用するにあたっては、問題が発生した場合に契約にもとづく補償を受けられるのか、情報セキュリティに関連する国内法に適合するのか、サーバの所在国の法律にもとづく機密漏洩はないのか、などの懸念が発生します。
Azureの準拠法は日本法となっており、また管轄裁判所は東京地方裁判所となっています。またサーバの設置場所を日本国内に限定することも可能ですので安心です。

6.Windows関連製品との連携が簡単

Microsoft社が提供するクラウドサービスであるAzureを活用することで、同じMicrosoft社のWindows関連製品などと簡単に連携することが可能です。
Azureを使うことで、たとえば以下の利点が挙げられます。
・OfficeやWindowsと操作感が似ているものも多く親しみやすい
・Office365など他のMicrosoft社製品と簡単に連携できる
・OSにWindowsを採用しているオンプレミスサーバーとの連携や移行が簡単

7.多くのOSや言語に対応

対応するOSやプログラミング言語の種類が多いことも、Azureの魅力の1つです。
OSであればLinuxやOracleにも対応しており、プログラミング言語はPython・Java・Ruby・.NET・PHP・Node.jsなどを使用することができます。

2. Azureのデメリットとは


1.最大限に活用するには専門知識や技術が必須

Azureは、誰でも簡単に利用できるOffice製品に比べてカスタマイズの自由度が高いことが特徴ですが、AWSよりもコミュニティやネット情報が少ないです。そのため、Azureを最大限に活用するには、専門知識や技術が必須ともいえる点がデメリットといえます。
Azureを導入して最大限に活用していくことを考えている場合、Azureに関する知識を持つ専門的な人材の確保を検討する必要があるかもしれません。

2.通信トラブルに弱い

Azureがクラウドサービスである以上、通信トラブルが発生すると利用できなくなるリスクがあります。しかし、通信トラブルに対しては通信回線を強化し、ネットワークのダウンに備えて予備設備やサブシステムなどを平常時から運用しておくことで、リスクを最小限に抑えられます。

3.地域によるサービス格差

Microsoft Azureは世界中でサービスを提供していますが、地域によっては利用できるサービスや機能が異なります。これは、地域毎の法律や規制、インフラの制約が影響しています。たとえば、特定の仮想マシンサイズやストレージタイプは、特定の地域でのみ利用可能であることがあります​​。しかし、Azure Active Directory、Traffic Manager、Azure DNSなどのいくつかのグローバルサービスは特定の地域を選択する必要はありません​。これらの違いは、世界中でビジネスを展開している企業にとっては、展開するビジネスに大きな影響を与えます。

4.コスト管理と予測が難しい

Azureの料金はサービスや利用量によって変わり、コスト管理は少々難しい面があります。意外と高額な請求が来ることもあるため、企業はAzureの料金体系を理解し、いくつかのシナリオ・パターンに従って予算計画を策定する必要があります。Azure Cost Management + Billingツールやコスト予測のガイド、ベストプラクティスなどがありますが、これらを日々監視し管理することはコストがかかります。企業はAzureのコストを理解し、予算を効果的に管理する必要があります。

3. Azureの導入手順

1.https://account.microsoft.com/account/ にアクセスして「サインイン」をクリックします。

2.Microsoftアカウントを入手していない場合は、「作成」をクリックします。すでに入手している場合は、「メール、電話、Skype」を入力して、「次へ」をクリックします。

3.「アカウントを安全かつ安定に保つ」というメッセージ画面が表示されたら、「開始する」をクリックします。

4.「ご本人確認のお願い」というメッセージが表示されたら、本人確認を行います。

5.ここからはMicrosoftのアカウント設定になるため、割愛します。

6.Microsoftのアカウント設定が完了後、https://azure.microsoft.com/ja-jp/free/ にアクセスします。「無料で始める」をクリックし、ログインします。

7.「Azure Portal」をクリックして、https://azure.microsoft.com/ja-jp/get-started/azure-portal/ へサインインします。

4. Azureの主なサービス


1.SSO(シングルサインオン)や認証を実現する

・Microsoft Entra ID(旧称 Azure AD)
Microsoft Entra ID (旧称 Azure Active Directory)では、クラウドアプリケーションのシングルサインオン、二要素認証など強固な認証を実現します。オンプレミスのActive Directory(AD)と連携させることで、オンプレシステムのパスワードと同期することも可能です。また、様々なリスクのあるログインを禁止することもできます。禁止できる項目の代表的なものは、IPアドレス制限、端末制限、パッチ非適用端末の制限、場所の制限などがあります。
Microsoft 365を利用している企業の方はすでに利用されていることが多い認識ですが、様々なシステムとの連携により便利にセキュリティを強化できます。さらに、オンプレADからのMicrosoft Entra IDへの移行も可能です。

2.セキュリティを強化する

・Microsoft Sentinel(旧称 Azure Sentinel)
Microsoft Sentinelは、セキュリティ情報イベント管理 (SIEM) とセキュリティオーケストレーション自動応答 (SOAR)の機能を持ったサービスです。Microsoft 365 / Azure とシームレスに連携し、複数のログからAIによる自動相関分析で、通常気づきにくい脅威を自動で検出、対策を提案します。

3.Azure上のサービスを一元管理する

・Azure Portal
直感的に操作できる利便性が特徴で、Azure Portalを利用すれば、システム規模の大きな企業や複数のプロジェクトを進めている場合でも、Webアプリケーションの構築やデプロイなどの管理および監視が簡単に行えます。

4.Azure上でDevOpsを実現する

・Azure Portal
Azure DevOpsとは、プロジェクトの開発(Development)と運用(Operations)を行うために必要な環境や、有用なツールを揃えたサービス群です。実行アプリメーションの監視を行う「Azure Monitor」、セキュリティ監視ツールの「Microsoft Defender for Cloud」などが利用でき、Azure DevOpsを利用すれば、開発チームと運用チームの円滑やコミュニケーションからプロジェクトの進行管理、ソースコードやライブラリをまとめたパッケージの管理など、多くのことが容易にできるようになります。

5.複数のクラウドサービスのアクセス管理を実現する

・Azure Active Directory
Azure Active Directorとは、各種クラウドのアクセス管理が行えるサービスです。複数のクラウドサービスを使い分ける企業も増えている中で、Azure Active Directorでは、AWSやGoogle Cloudといった他社のサービスのアクセス管理も行えます。

6.コードをサーバーレスで実行する

・Azure Functions
Azure Functionsとは、サーバーを構築せずにコードを実行できるサービスです。ユーザーはサーバーを意識せずにアプリケーションロジックの開発に集中できるため、WebAPIやWebサービスを効率的に作れます。

7.仮想マシンのサービスを利用する

・Azure Virtual Machines
Azure Virtual Machinesとは、サーバーなどの物理ハードウェア上にソフトウェアで構成された「仮想マシン」の提供サービスです。仮想化という技術により、パソコンの中にもう一つ別のパソコンが入っているイメージで、本来の対象ではないOS上でのソフトウェアやアプリケーションの実行ができたり、開発用サーバーや、テストサーバー環境として利用したりと、多くの用途があります。

8.クラウドにデータを保存する

・Azure Storage
Azure Storageとは、データをクラウドに保管できる、Azureのストレージサービスです。データの種類や目的に応じて、BlobやQueue、Table、Filesなどのさまざまなストレージサービスが提供されており、ハードディスクの拡張やセキュリティ対応などは、すべてMicrosoft側で行ってくれるため、ユ

5. まとめ

Azureにはさまざまな便利なサービスがあり、たくさんのメリット・デメリットがあることを知りました。
この記事を読んだ方が少しでも理解していただけたら幸いです。