【初心者用】PowerBIで出来ることとは?

公開日: 2022/7/13
昨今の経営判断や意思決定には、データ分析が必要とされています。

データ分析や、データの可視化が注目される昨今、「Power BI」という言葉を耳にすることが多くなりましたが、皆様は「Power BI」という言葉をご存知でしょうか?

今回紹介するPower BIはBI(ビジネス・インテリジェンス)ツールとしてマイクロソフト社から提供されている製品の1つです。

BIツールとは、企業が蓄積しているデータを分析し、その結果から得られたデータをあらゆる活動(経営判断など)に生かすためのツールです。

データそのもの自体が蓄積されるデータベースとは違い、レポートを表示したり、データ分析に関する豊富な機能を持ったソフトウェアのことです。

BIツールは世の中に多く存在しますが、BIツールの中でも注目されているのが「セルフサービスBI」と呼ばれる種類のBIツールです。

セルフサービスBIとは、データ分析を行う作業のおおよそ半分以上の作業をBIツールが自動化するというもので、効率良くデータ分析を行うことが出来るということで注目されています。

ただし、セルフサービスだからといって誰でも簡単に扱えるというわけではありません。

セルフサービスBIは、業務部門が主体になってデータ分析を実行できるようにするためのものであるため、ある程度データ分析に関する知識と製品知識が必要となってきます。

今回紹介するPower BIは、このセルフサービスBIに分類される製品であり、一般的なITに関する知識があれば比較的簡単にデータ分析ができます。

1. Power BIとは?


先述したように、Power BIはマイクロフトが提供しているセルフサービスBIです。

Power BIで出来ることを簡単にまとめると、下記のとおりです。

・各種データ処理(抽出、変換、統合など)の作成と実行

・視覚化された分かりやすいレポートを作成

・作成したレポートを組織内の人と共有

・作成したレポートを定期的に自動更新


通常、上記内容を実行するためにはプログラミングを行う必要がありますが、Power BIを使うことで、これらの機能をノンプログラミングで実行することが可能となります。

ノンプログラミングとはつまり、プログラミングを必要としないソフトウェアです。

2. Power BIが提供しているサービス

Power BIは下記に記述したようなサービスを提供しています。


Power BI Desktop

各種データを抽出・変換・結合し、結果を基にレポートの設計を行うためのデスクトップアプリケーション


Power BI Service

作成・設計したレポートを共有するクラウド基盤&ブラウザ上でデータ分析を行うためのサービス。

一般的なBIツールではレポートを行うデザイナーツールと、実際にレポートの分析・閲覧するためのツールが分かれていることが多く、Power BIも同じようにデザイナーツールと分析ツールは独立しています。

Power BIは一部の機能が無料で提供されているため、お試しとして使ってみたい方は一度使ってみるとイメージが湧きやすいと思います。

また、Power BIはMicrosoft Office等、マイクロソフト社が提供している製品との相性が非常に良いと言われており、マイクロソフト社内ではメールよりも使用されているITツールなんだとか。

Power BIの特徴としては下記のとおりです。


如何なるデータにも接続

クラウドサーバーでもオンプレミスでも、データがどこにあっても、調査・分析の対象とすることが可能です。

これには 昨今人気のHadoop や Spark などのビッグ データも調査対象としてセットすることが可能です。


簡単にデータを作成し、モデル化する

通常、多くのデータを作成する場合、データ量に比例する形で作業時間も増加してしまいます。

しかし、Power BI Desktop のデータ モデリングを使用した場合、数回のクリックだけで複数のソースのデータを消去、変換、および組み合わせることができます。


Excel のわかりやすさで高度な分析を提供

クイック メジャー、グループ化、予測、およびクラスター化などの マイクロソフトエクセルで見たことのあるツールを使い、ユーザーがデータを深く掘り下げ、見落とす可能性があったパターンを見つけることができます。

3. Power BIを有効活用するためにはどうすればいいか??

Power BIだけに限らず、すべてのBIツールを活用するにあたって共通していることは、まず分析するためのデータを用意したり、データの信頼性を担保することです。

※分析データの信頼性が無ければ元も子もないため。


データ分析にはデータが必要ですが、膨大なデータを収集するだけでもかなりの労力とコストがかかってしまいます。

実際にデータ分析に取り組んではみたものの、データ分析よりデータ収集に時間がかかってしまい何週間も前のデータの参照にしたレポートを読んでいる、というケースは少なくありません。


上記の懸念点を考慮するとPower BIは非常に優れたBIツールです。

なぜならPower BIには、Excelや会計システムはもちろん、SalesforceやOracleなどソフトウェアまで、どんなデータもチャートやグラフに変換し、今この瞬間会社がどうなっているかを教えてくれます。

つまり経営者は、常に最新のデータを見つつ会社の舵切りができるというわけです。


ただし、メリットもあればデメリットも存在します。

それは、各部門ごとに分断化されたシステム環境(データベース環境)では、やはりデータ収集や加工に時間がかかってしまうため、Power BIがもつ本来の分析スピードを活かしきれないという部分です。


一般企業を例に例えると、

・総務・人事部門には財務会計システムや人事管理システム

・経理部門には会計システム

・営業部門には顧客管理システム

・製造部門には生産管理システム


といった具合に、昨今のシステム環境は部門ごとに最適化されており、それ故にシステム同士が連携を取れていないケースが多いのが現状です。


こうしたシステム環境は、メリットもあれば、今回のようにBIツールで分析を行う際には各システムが分断されているため、データの統合が難しく必然的にデータ収集のスピードが遅くなるというデメリットも存在します。

4. まとめ

今回は、ビジネスインテリジェンスツールの1つであるPower BIについて解説していきました。

BIツールは世の中に多く存在しているので、各プロジェクトや用途に適したBIツールを選定していきましょう。

データの可視化や経営判断などに使用するために、実務の現場でもBIツールを使用する場面が多くなってきているので、今後必要な知識としてBIツールの利用経験を求められる可能性は高いと思います。

もし、BIツールについてもう少し深く学んでいきたいと考えている方は、Power BIの無料版を使うことで、概要であったり細かい部分をより深くまで理解できると思います。


今回は紹介しませんでしたが、Power BIと並んでBIツールとしての認知度が高いものとしてはDr Sum(ドクターサム)というBIツールが挙げられます。

ドクターサムも無料で利用できる部分があるので、お試しで使ってみてもいいのではないでしょうか。