IDE(統合開発環境)で何ができる?プログラム初心者におすすめしたいIDEを4つ厳選!

公開日: 2024/7/19

この記事ではプログラミングをサポートする強力なツールである、統合開発環境(IDE)に焦点を当て、IDEとはなにか?何ができるのかを解説します。

後半では、特にプログラミング初心者におすすめしたい4つのIDE、NetBeans、Eclipse、Visual Studio、X Codeをピックアップし、それぞれの特徴やメリットを紹介しますので、あなたの仕事をサポートする最適なIDEを見つけてください。

1. IDEとは


統合開発環境(IDE)とは「Integrated Development Environment」の略で、ソフトウェア開発を行うためのアプリケーションで、コーディング、デバッグ、コンパイルなどの開発作業を一つのプラットフォームで行うことができるプログラミング開発支援ツールです。

IDEは、エディター、コンパイラ、デバッガーなどのツールを統合しており、これらのツールが一体化されているため、開発者は別々のツールを切り替えることなく効率的に作業を進めることができます。


また、IDEはコードの自動補完やシンタックスハイライトなどの機能も提供しており、これによりコードの読みやすさやエラーの発見が容易になります。

IDEはプログラミング言語や開発環境によってさまざまな種類があり、それぞれのIDEは特有の機能や特性を持っており、開発者は自身のニーズにあったIDEを選択することができます。

1-1. IDEでできること

前述の通り、IDE(統合開発環境)は多くの機能を提供していますが、ここではIDEに共通して備わっている基本的なプログラミングのサポート機能を6つ紹介します。

・コードエディター

コードエディターは、IDEの中核をなす部分であり、プログラマーがソースコードを書くための主要なインターフェースです。

自動補完、シンタックスハイライト、コードフォーマット、エラーハイライトなどの機能があり、これにより、開発者はコードを効率的に書くことができます。

・ビルド自動化ツール

ビルド自動化ツールは、ソフトウェア開発の一連のプロセスを自動化するためのツールです。

IDE内に組み込まれていることが多く、コンパイルやパッケージング、依存関係の管理などをサポートし、開発者は手動で複雑なビルドプロセスを行う必要がありません。

・デバッガー

デバッガーは、コード内のエラーやバグを特定し、修正するための強力なツールです。

開発者はブレークポイントを設定し、プログラムの実行を一時停止して変数の値を確認したり、ステップ実行でコードを一行ずつ実行したりすることができます。

・バージョン管理システム

バージョン管理システム(Version Control System)は、ファイルやコードの変更履歴を追跡し、必要に応じて以前のバージョンに戻すことができるツールです。

代表的なバージョン管理システムには、Git、Subversion(SVN)、Mercurialなどがあり、中でもGitは、その分散型の特性と高い柔軟性から、現代の多くの開発プロジェクトで広く採用されています。

・テストツール

IDEはしばしばテストツールと統合されており、開発者は自分のコードが期待通りに動作することを確認するために自動テストを実行できます。

テストツールで提供されているユニットテスト、結合テスト、フィードバック機能により、開発者はコードの品質を維持し、バグや不具合を早期に検出・修正することが可能です。

・デプロイツール

デプロイツールは、開発者が作成したアプリケーションやソフトウェアをターゲットとなる環境(例:本番環境、ステージング環境)に配布・公開するためのツールや機能です。

デプロイツールを使用することで、開発者はコードの変更を迅速かつ確実にターゲット環境に反映させることができ、開発と運用のギャップを縮小することができます。

2. おすすめのIDE


2-1. NetBeans

NetBeansは、Javaで動作するプログラムの総合開発環境(IDE:Integrated Development Environment)です。

特にJavaやPHP、C/C++などの言語を使用する開発者にとっては非常に便利なツールで、NetBeansは初心者から上級者まで幅広く利用できるIDEです。

・NetBeansの特徴・メリット

 1.多言語対応
 Javaの開発環境を主軸に、現在ではPHPやC、C++といった多くのプログラミング言語に対応しています。

 2.拡張性
 プラグインによる拡張機能が搭載されており、開発したいアプリケーションに応じてカスタマイズが可能です。

 3.コード補完機能
 プログラムの記述に間違いがあるとマーカーで知らせてくれたり、各プログラムで用意されている関数やクラスは色分けされるなどプログラムの効率が上がる機能が搭載されています。

2-2. Eclipse

Eclipseは、開発を効率化するための統合開発環境(IDE)で、IBMによって開発され、2001年にオープンソース化されました。

EclipseはJavaの開発ために作られたことから、JavaのIDEツールとして高い評価を得ています。

・Eclipseの特徴・メリット

 1.多言語対応
 Java以外にも、C/C++、Python、PHP、JavaScript、Ruby、Groovy,、Scalaなどさまざまな言語で利用することができます。

 2.プラグイン
 Eclipseの代表的な特徴が「プラグイン」で、好みの機能を追加してカスタマイズできます。

 3.日本語化
 日本語対応していないIDEツールが多いなか、Eclipseは日本語化も容易に行うことができるため、開発現場でも非常によく用いられています。

2-3. Visual Studio

Visual Studioは、マイクロソフト社が開発・提供する統合開発環境(IDE)です。

特にC#やVB、C++などの言語を使用する開発者にとっては非常に便利なツールとなっています。

・Visual Studioの特徴・メリット

 1.多言語対応
 主な対応プログラミング言語として同社が手掛けるC#、Visual Basic(VB)、C++が挙げられます。

 2.開発に必要な機能が豊富
 ソフトウェア開発を行う上で必要な「コードエディタ」「コンパイラ」「デバッガ」などのツールが全て集約されています。

 3.クロスプラットフォームアプリの開発が可能
 Webアプリ、デスクトップアプリ、スマートフォンアプリなど様々なプラットフォームに対応したアプリケーションの開発をすることが出来ます。

2-4. X Code

X Codeは、Apple社が開発・リリースしているソフトウェアで、MacやiPhone、iPad向けのアプリケーション開発に特化しています。

特にMacやiPhone、iPad向けのアプリケーション開発者にとっては必須のツールであり、基本的にはApple製品しかX Codeがインストールが出来ないため、Windowsユーザーは注意が必要です。

・X Codeの特徴・メリット

 1.多言語対応
 C、C++、Objective C++、Java、AppleScript、そしてオブジェクト指向記述言語Objective-CおよびSwiftのソースコードをコンパイルできます。

 2.ユーザインタフェース作成
 Interface Builderを用いて、UI画面の設計ができます。

 3.コード補完機能
 より安全なコードをさらに短時間で作成できます。

 4.プロジェクト管理
 ファイルの管理からコンパイル、ビルド、実機検証、デバッグまで一連の流れをサポートしています。

3. まとめ


統合開発環境(IDE)は、プログラミングの効率を大幅に向上させる強力なツールであり、コードの記述からデバッグ、テスト、デプロイまでの一連の作業をサポートし、開発者の作業を効率的に進めることができます。


この記事では、特にプログラミング初心者におすすめの4つのIDE、NetBeans、Eclipse、Visual Studio、X Codeを紹介しました。

それぞれのIDEは独自の特徴や機能を持っており、開発者のニーズやプロジェクトの要件に応じて選択することが重要です。


あなたのプロジェクトや学習に最適なIDEを使用することで、より高品質なソフトウェアを効率的に開発できるため、ぜひプログラミングの学習や実務を進める上で取り入れてみてください。