
【OS】Windows Serverについて学ぼう
皆さんはWindows Serverについてご存じでしょうか。私は環境として利用したことがありますが、恥ずかしながらどういったものなのかあまり知らずにいました。今回のこの記事作成を通して、Windows Serverはどういったものなのか、メリット・デメリットはなにか、ほかのOSと比べた場合の差異を調査してまとめました。
1. Windows Serverとは
Windows Serverは、マイクロソフトのサーバ用オペレーティングシステム(OS)で、業務用システムやネットワークのインフラ構築のための多様なサーバー役割や機能を持っています。
2000年のWindows 2000 Serverから始まり、2012年にはWindows Server 2012が導入され、クラウド環境への対応を重視したモダンな設計が施されました。PowerShellの機能が大幅に強化され、新しい仮想ディスクフォーマット「ReFS」も導入されました。2016年のWindows Server 2016では、アプリケーションの隔離や配布を容易にするコンテナ技術が取り入れられ、2018年のWindows Server 2019では、新たな管理ツールとして「Windows Admin Center」が導入されました。
2021年にはWindows Server 2022がリリースされ、セキュリティ機能のさらなる拡充やAzureとの統合強化が実現しました。 このように、Windows Serverは時代の要請に応じて絶えず進化を続けており、企業のITインフラを支える中核としての役割を果たしています。
Windows Serverの初版は2003年4月24日に公開されました。
現時点(2024年4月25日)での最新安定板は、Windows Server 2022となっています。
2. Windows Serverの特徴

1.デスクトップ版Windowsと似たインターフェース
Windows Serverは、デスクトップ版Windowsと非常に似たユーザーインターフェースを持っています。これによりWindowsユーザーであれば、サーバーの操作や設定が直感的に行えるため、学習コストが低くなります。また、グラフィカルな操作画面を通じて複雑な設定やタスクも簡単に実施できるのが特長となっています。2.統合された管理ツール
Windows Serverには、Active DirectoryやPowerShellなどの高度な管理ツールが組み込まれています。特にActive Directoryは、ユーザーやデバイスのアクセス権限管理を一元化でき、大規模な組織やネットワーク環境でも効率的な運用が可能です。PowerShellを利用すると自動化やバッチ処理を簡単に実装できるため、運用の効率化を図ることができます。3.幅広いアプリケーションとの互換性
Windows Serverは、数多くのビジネスアプリケーションとの互換性が高い特徴があります。これは、ソフトウェア開発者がWindows環境での動作を前提としてアプリケーションを設計・開発するケースが多いためです。この互換性の高さにより、新しいアプリケーションの導入や既存のアプリケーションのアップグレードがスムーズに行えるのが大きな強みとなっています。3. Windows Serverのメリット
1.学習コストが低い
Windows系パソコンと操作感がさほど変わらないため、学習コストが低い点が挙げられます。
2.マイクロソフト製品との親和性が高い
.NETのプラットフォームとして、あるいはAzure環境での利用など、マイクロソフト製品との親和性が高い特徴があります。オフィス製品の利用や情報共有などでも有効になります。
4. Windows Serverのデメリット
1.ライセンスコストが比較的高くなる傾向がある
Windows Serverは商用OSのため、ライセンスコストが比較的高くなる傾向があります。
2.セキュリティ攻撃を受けやすい
Windowsはセキュリティ攻撃を受けやすいため、サーバーの場合でも稼働時には常時危険にさらされていると考えて予防処置を取る必要があります。
3.処理が重くなる
動作処理については、Windows系OSの設計と共通化されていることもあり、多少処理が重くなります。
5. ほかのOSとの比較
Windows ServerとほかのサーバーOSとの違いや特徴は以下になります。
1.導入しやすさ
・Windows Server:比較的導入しやすいです。
・Linux系:ある程度専門技術が必要になります。
2.セキュリティ
・Windows Server:標準で高いが、攻撃対象になりやすいです。
・Linux系:自分で設定できれば高くなります(設定できていなければ不十分なこともあります)。
3.費用
・Windows Server:ライセンス料が高いです。
・Linux系:比較的安価です。
6. Windows Server 2022インストール手順
※VMware上に作成した仮想マシンにインストールする手順になります。VMwareのインストール手順については割愛となります。
1.https://www.microsoft.com/en-us/evalcenter/evaluate-windows-server-2022 からISOファイルをダウンロードします。
2.VMware Workstationを開き、「新しい仮想マシン...」をクリックします。
3.Windows Server 2022 ISOをインストールディスクとして選択します。
4.「言語」「時間と通貨の形式」「キーボードまたは入力方法」を選択し、「次へ(N)」をクリックします。
5.「今すぐインストール」をクリックします。
6.「Windows Server 2022 Standard」を選択し、「次へ(N)」をクリックします。
7.ソフトウェアのライセンス条項に同意し、「次へ(N)」をクリックします。
8.「カスタム:Microsoft Serverオペレーションシステムのみをインストールする(詳細設定(G))」を選択します。
※Windows ServerからWindows Server 2022にアップグレードする場合は、「アップグレード:ファイル、設定、およびアプリケーションを保持して Microsoft Server オペレーティングシステムをインストールする(U)」を選択します。
9.Windows Serverをインストールするドライブを選択します。新規で作成する場合は「新規(E)」をクリックします。
10.[サイズ]にパーティションのサイズに任意の値を入力して「適用」をクリックします。
11.警告が表示されます。ドライブにデータが入っている場合、[OK]をクリックした時点で削除されます。念のためデータがないことを確認してから[OK]をクリックします。
12.システム用のパーティションと、Windows Server 2022をインストールするためのパーティションの2つが作成されます。パーティション2を選択して[次へ(N)]をクリックします。
※選択したドライブにデータが入っている場合は、ディスクのフォーマットが必要になります。その場合は、[フォーマット(E)]をクリックし、事前にフォーマットを行ったうえで、ディスクを選択します。
13.インストール完了後、再起動を行います。
※環境にもよりますが、20〜30分程度の時間がかかります。
14.再起動後、設定のカスタマイズ画面が表示されます。ユーザ名(U)、パスワード(P)、パスワードの確認入力(R)を入力して、「完了(F)」をクリックします。
15.これでインストール作業は完了になります。
16.その後は、Windows Updateを確認してください。何度か更新が必要になる場合もあります。
7. まとめ
Windows Serverがどういったものなのか、メリット・デメリットはなにか理解することができました。正直、Windows Serverは何気なく使用していて動作が重たい印象しかありませんでしたが、その分便利なOSだということを知りました。
この記事を読んだ方が少しでも理解していただけたら幸いです。