テスト観点

公開日: 2025/3/26

テスト観点とは、特定の機能に対してどのようなテストを行うことが有効なのかを考えることを指します。

テストケースを作成するうえで必要不可欠な要素であり、テストの精度を高めて効率的に作業するために必要とされています。

具体的な例をあげると、次の太字個所がテスト観点と呼ばれる部分に該当します。


 ・住所入力テキストボックス(対象)の入力可能桁数(何)を確認する

 ・次へボタン(対象)押下の遷移先(何)を確認する

 ・氏名テキストボックスに入力した内容が氏名欄(対象)に正しく表示(何)されることを確認する


特定の機能に対して、どの部分をテストしなければならないのか、その方法は何がふさわしいかを考えるのがテスト観点です。

テスト観点を明確にすることで、ソフトウェアテストにおける抜けや漏れを防止することができます。

1. テスト観点とテストケースの違い


テストケースとは、プログラムを実行する手順や入力値、条件ごとに期待される結果を明確にしたドキュメントです。

誰が見てもどんなテストを実行するのかがわかるようになっており、テストケースをもとにして、手動あるいは自動化ツールを用いてテストを実施します。


テスト観点との違いは、具体的な手順なのか考え方なのかの違いです。

テスト観点は、テストを実施するために必要な考え方や着眼点であり、具体的なテストの手順には言及しません。

テストケースを作成する際には、テスト観点に従ってどのような手順でテストを実施するのかを明確にする必要があります。

そのため、テストケース作成時にはテスト観点をはっきりさせておかなければならないのです。


いいかえれば、テスト観点はテストのベースであり、テストケースはそのベースをもとにした手順書となります。

両者は全く別物ですが、相互に必要となる役割があるものであることを忘れてはいけません。

2. テスト観点の必要性


テスト観点が必要な理由は、テストの目的を達成するために「何を確認する必要があるのか」を明確にする必要があるためです。

システム開発のプロジェクトには必ず目的があります。プロジェクト全体の目的は企画段階で決まり、それをブレイクダウンする形でプロジェクトを構成する開発工程などの各工程にも目的が設定されるのです。


当然、その工程の1つであるテスト工程にも、テストで達成すべき目的が設定されます。

目的に合ったテスト計画を作成し、テスト範囲やテスト内容、テスト期間などが定義されます。

このときのテスト内容を決める1要素として存在するのがテスト観点です。


仮に、テスト観点がない場合、実装する機能に対して具体的に何を確認すればよいのかがはっきりとしません。

その結果、次の項目がわからなくなる可能性があります。

 ・実装されていることを確認するのか

 ・仕様どおり正しく動くことを確認するのか

 ・予期せぬバグがないか確認するのか

上記以外にも、テスト観点がないとなおざりになってしまうポイントは多くあります。

テスト観点は、開発したシステムの品質を保証するために必要不可欠な考え方であると同時に、効率的にテスト目的を達成するために必須なものなのです。

3. テスト観点を洗い出すための要素


テスト観点を洗い出すためには、次の4つの要素を中心に考えるようにしましょう。

 ・機能要素

 ・検証方法

 ・入力条件

 ・出力結果

テスト観点を考えるためには、上記の4つの要素を組み合わせる必要があります。

各テスト観点の要素を知り、品質担保や信頼性維持に努めましょう。

1.機能要素

機能要素とは、表示機能や画面遷移機能など、開発したシステムに搭載された機能のことです。

検証する機能や関連する動作を、基本設計書から洗い出します。


動作に対して基本設計書通りの機能をするかなどを確認しなければなりません。

また、複数の機能が搭載されているソフトウェアの場合、どのアクションがどの機能につながるのかも明確にする必要があります。

時間はかかりますが、テスト観点を検討するうえで欠かせない要素でもあります。

2.検証方法

検証方法とは、対象となる機能に対する検証の手法のことです。

確認する機能によって確認するポイントや検証にふさわしい方法は何かを検討します。

機能によって異なりますが、具体的には次のような検証方法があります。

 ・表示内容確認

 ・動作確認

 ・組み合わせ確認

どの検証方法を用いるのかを検討し、選択するようにしましょう。

3.入力条件

入力条件とは、テスト対象に対してどんな値やイベントを入力するかなどの条件のことです。

具体的にはスペースや大文字小文字を入力したときに発生する可能性があることを洗い出す条件を指します。


入力条件の例は、ほかにもあります。

例えばカレンダーに反映するうるう年などは、入力条件に該当する条件です。

ほかにも音楽や動画の終了後に発生するイベントも、入力条件のひとつです。

4.出力結果

出力結果とは、特定の数値や文字・アクションを入力した際に何が起こるのかを観察することです。

入力条件の結果起こるイベントとも考えらえます。


特定の文字などを入力した際に異常は発生しないか、異常値を入力したときにエラーを起こさないかだけではなく、文字化けや動画・音声のずれも出力結果のひとつです。

これら4つの要素から、テスト観点は成り立っています。

多角的な視点からこれらを洗い出すようにしましょう。

4. テスト観点のつくりかた


テスト観点の一例として、次のようなものがあります。

 ・Thomas J.Ostrandの4つの視点
  ユーザー視点、仕様視点、バグ視点、設計・実装視点

 ・国際規格ISO/IEC 25010(JIS X 25010)における8つの品質特性
  機能適合性、性能効率性、互換性、使用性、信頼性、セキュリティ、保守性、移植性


しかし、これらはそのままテスト観点として使用するには、まだ粒度が粗いといわざるを得ません。

そこで、実際にテストをするうえで理解しやすいテスト観点を作成するために、テスト観点の各項目を詳細にブレイクダウンする形で作る方法について解説していきます。


手順は次の通りです。

 ①テストの目的を確認する

 ②「対象」を「部品」に分解する

 ③「部品」はどんな機能をもつものかを書き出す

 ④部品の機能にキーワードをつけて回答を書き出す

 ⑤回答を分類し名詞化する

 ⑥「(テスト目的)のために(対象)の(部品)の(何)を確認する」に当てはめる