【初心者向け】ソースファイルの分割について

公開日: 2025/6/2

プログラム言語について学習していると、実際にコードを書くことが多くなると思います。

最初の方は簡単で短いコードを書いて練習をしていくと思いますが、慣れてくると、長いコードや簡単なシステムを作ることが増えていくと思います。

その際に、一つのソースファイルの中で処理を書いていくと思いますが、100〜1000行ほどになっていくとエラーが出た際にどこでエラーが出たのか、どこでどういった処理をしているのか探すのが大変になります。


その時に必要になってくるのが、ソースファイルを分割するということです。

ソースファイルだけではなく、プロジェクトを分割することもあります。

このようにソースファイルやプロジェクトファイルを分割することのメリットが多くあるので、今回はソースファイルを分ける方法の一例を提示しながら、メリットを解説していきたいと思います。

1. ソースファイル分割の一例


今回は簡単に計算をする処理をJavaで作成して、そのソースファイルを分割してみます。

まずは下記のコードをご覧ください。

package projava;

import java.util.Scanner;

public class Study {

        // 足し算を行うメソッド
        public static int add(int a, int b) {
            return a + b;
        }

        // 引き算を行うメソッド
        public static int subtract(int a, int b) {
            return a - b;
        }

        public static void main(String[] args) {
            Scanner scanner = new Scanner(System.in);

            // 最初の数値の入力
            System.out.print("最初の数値を入力してください: ");
            int x = scanner.nextInt();

            // 次の数値の入力
            System.out.print("次の数値を入力してください: ");
            int y = scanner.nextInt();

            // 足し算の結果を表示
            System.out.println("足し算の結果: " + add(x, y));

            // 引き算の結果を表示
            System.out.println("引き算の結果: " + subtract(x, y));

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2. ソースファイルの分割する手順


ソースファイルを分割する際は一例ですが以下の順番で行うとスムーズに行えます。

1.機能の確認

分割したいソースファイルがどのような処理を行っているのかを確認します。上記では簡単な計算をする処理なので、たし算、引き算だけの処理であると言えます。

2.分割ポイントの確認

どういった機能をもったファイルかを確認したら、次はどこで分割するかを決定します。上記の例では、メインの処理を行うクラス、たし算クラス、引き算クラスで分けています。

3.ソースファイルの作成

次に分割する数だけソースファイルを作成します。上記の例では3つに分割しているので、2つクラスを作成します。

4.コードの移動

ソースファイルに分割したいコードを移動させます。この時、不要なものまで移動させないように注意してください。上記では、たし算の処理と、引き算の処理を移動しています。

5.依存の解決

コードを移動させたら、エラーが出ている部分を適切なコードに書き換える作業が必要です。上記ではメソッドの呼び出し方を変更しています。

6.テストとデバッグ

移動したコードがコンパイルエラーを起こしていないか確認します。今回はコンソールに数字を入力するタイプなので、コンソールにエラーが出ずにちゃんと計算ができるか確認します。

7.ドキュメントの更新

コードの移動が完了したらそれに伴うドキュメントの更新が必要になります。

今回は簡単なものなのでドキュメントの更新は必要ありませんが、複雑なシステムになるとどのクラスでどういった機能があるのかをドキュメントに残している場合があると思います。

ソースファイルを分割しないと他の開発者が確認する際に時間がかかってしまうので、ドキュメントがある場合は必ず変更しておかなければなりません。

3. メリット


それでは最後にソースコードを分割するメリットを3つほどご紹介します。

1.開発作業が分担できる

上記のコードでは簡単な計算をする処理のコードを分割していますが、上記では足し算をするロジックと引き算をするロジックで別れています。

実際の業務ではここまで簡単な処理ではないですが、足し算の処理を作る人と、引き算の処理を作る人に別れて作成することでコーディング時間が半分になります。


一つのソースファイル内で複数人で開発すると、コードの競合が起きて開発期間が無駄に長くなってしまったり、どの部分を編集するか他の開発者とのコミュニケーションが頻繁に必要になり、開発期間が長くなります。

ソースファイルを分割することで開発期間が短くなるというメリットがあります。

2.コードの可読性向上

二つ目はコードの可読性向上です。ソースファイルを分割することで、クラス名を見ればどういった処理をしているかがすぐに分かります。

例えば上記の計算処理のコードをみると、分割前のクラスファイルはcalTestという名前になっています。


ただ、どこでどういった処理をしているか探すには上から一つづつ読まないといけません。

分割後のクラスファイルを見ると、MainとAddition、Subtractionなどのようにどういった処理をしているクラスなのか一目で分かります。

もし割り算のクラスを作りたい場合も、たし算のクラスからコピーすることで開発時間短縮にもなります。

3.メンテナンス性の向上

最後はメンテナンス性の向上です。

開発が終わったらその後何もしないということはほとんどありません。

エラーが起きた時の対応や、機能が追加される可能性がある場合が多くあります。

その際に一つのソースファイルだけで開発しているとエラーの箇所を探すのに時間がかかったり、読みにくいという点があります。

読みにくいという部分にはコードを読みやすく書くことも重要になってきますが、ソースファイルを分割することでこういった点の改善に繋がっていきます。

4. まとめ

この他にもソースファイルを分割するということには多くのメリットがあります。

ソースを分割することで、アクセス修飾子の確認などコードを見直すことも出てきますが、今後のことを考えると大きな手間にはなりません。

ぜひこの機会に自分で学習中のかたもソースファイルを分割してみてはいかがですか。