ローコードについて(kintone)
そこで、今回はローコード開発とローコード開発で代表的なkintoneを実際に使用してみて便利だと思った機能についての記事を作成します。
1. ローコード開発とは何か
1-1. 概要
ローコード開発とは、コーディングの工数を削減することを目的とした開発手法のことで、必要最低限のプログラムコードで開発が可能です。
ツールで作成したプログラムの部品を組み合わせていき、手打ちによるコーディングや設計作業などを省略していき開発ができます。
※ローコード開発の他にノーコード開発も存在し、そちらはプログラミングの必要がなく、プログラミングに関する専門知識は一切不要で開発ができる手法があります。
1-2. メリット
1.少ない工数で開発が可能
ローコード開発では、ツールで作成したプログラムの部品を組み合わせて画面や機能を作成していきます。
そのため、手打ちによるコーディング作業やボタンや入力項目などのような部品ごとの設計・作成作業を省略することができ、よりスピーディに開発を行えます。
2.プログラミングの知識があれば、カスタマイズが可能なこと
ツールで作成した部品をカスタマイズすることができます。
例えば、ボタンの色を変更したり、別のシステムからデータを取得してきて、画面にデータを表示・登録したりすることができます。
3.開発期間を短縮できるローコード開発
開発期間を短縮できるローコード開発では、必要最低限のコーディング作業で作成できます(作成目的によってはコーディング作業なしでも画面や機能の作成が可能)。
例えば、画面を開発する場合、入力欄を作成するためにコーディングで入力欄やドロップダウンを作成することが必要です。
しかし、ローコード開発では、項目の種類(入力欄やボタン)を選択してどこに配置するか決定するだけで画面を作成することが可能です。
このように、コーディングの時間の短縮だけではなく、コーディング量も少なくなるためバグの発生も減少し、修正にかかる時間やコストを削減することができます。
1-3. デメリット
1.実装機能に制限がある
開発ツールが用意したボタンや入力欄、機能を組み合わせて実装するため、細かいデザインの調整などには適していません。
もしも、ボタンの配置場所等のデザインの調整が必要な場合はCSSの知識等が必要になります。
2.セキュリティがプラットフォームに依存する
ローコード開発は、システムを提供するプラットフォームのクラウドサーバーに構築されるため、セキュリティ管理はプラットフォームに依存してしまいます。
そのため、システムを開発する前にどこまでセキュリティ管理ができるのかについて理解しておく必要があります。
3.ブラックボックス化を招く可能性がある。
ローコード開発は誰でも簡単にシステムの開発が可能なため、ブラックボックス化を招く可能性があります。
2. kintoneについて
kintoneとはサイボウズが提供するクラウド型のプラットフォームのことで、ノーコードで業務のシステム化や効率化を実現するアプリを作成できるクラウドサービスのことです。
業務アプリを作成できる他に、拡張機能や外部サービスとの連携も可能です。
3. kintoneでできること(便利だと思ったこと)
3-1. 多種多様な項目
kintoneは多種多様な項目が存在し、ドラッグアンドドロップで作成、配置することができます。
項目は以下の29種類があります。
・ラベル
・文字列(1文字)
・リッチエディター
・文字列(複数行)
・数値
・計算
・ラジオボタン
・チェックボックス
・複数選択
・ドロップダウン
・日付
・時刻
・日時
・添付ファイル
・リンク
・ユーザー選択
・組織選択
・グループ選択
・関連レコード一覧
・ルックアップ
・スペース
・罫線
・グループ
・テーブル
・レコード番号
・作成者
・作成日時
・更新者
・更新日時
3-2. データの蓄積・一覧・検索
kitnoeneで登録したデータを一覧画面で表示することや検索を掛けることが可能です。
検索をする際には、「キーワードを含む/含まない」「以下/以上/等しい」「日付の指定」等柔軟に条件を設定することができます。
また、一覧画面では表示したい項目や条件を登録することができ、いつでも簡単にデータの検索が可能です。
※少し不便だと思ったことはすべての条件を満たすといずれかの条件を満たすのどちらかしか選択できないことです。
そのため、「すべての条件を満たす」と「いずれかの条件を満たす」の両方を使用することはできません。
例
〇 名前=山田 and 総得点 ≧ 200 and 年齢 ≦ 20
〇 名前=山田 or 総得点 ≧ 200 or 年齢 ≦ 20
✕ 名前=山田 and (総得点 ≧ 200 or 年齢 ≦ 20)
3-3. アプリの同士の連携
kintoneは複数のアプリを作成することができて、アプリ同士でシステムの連携が可能です。
kintoneで利用できるフィールドの中に「ルックアップ」という項目が存在しています。
ルックアップを配置すると他のアプリにあるレコードの情報を参照してデータを表示することができます。
これによってデータを効率的に入力したり、入力ミス、入力漏れを防ぐことができます。
また、「関連レコード一覧」という項目も存在していて、条件に一致したレコードを一覧で表示することができて、同じアプリのレコードだけではなく他のアプリからもレコードを取得することができます。
3-4. アクセス権
kintoneではアプリ、レコード、フィールドのアクセス権を設定することができます。
アプリのアクセス権では、「レコード閲覧」「レコード追加」「レコード編集」「レコード削除」「アプリ管理」「ファイル読み込み」「ファイル書き出し」を設定することができます。
レコードアクセス権では、条件を設定してレコードの閲覧、編集、削除ができるユーザーを制限することができます。
フィールドアクセス権では、フィールド(項目)1つずつに対して閲覧や編集ができるユーザーを制限できます。
3-5. 変更履歴の確認
レコードの詳細画面から誰がいつレコードを作成・変更したのか確認することができます。
変更箇所をハイライトして確認したり、過去のバージョンに戻したりすることも可能です。
そのため、複数人で作業をするときでも、誰がどのように変更したのか確認することができます。
3-6. グラフ・表の作成
アプリに登録されているレコードから、グラフや表を作成することができます。
「棒グラフ」「円グラフ」「折れ線グラフ」「クロス集計表」など様々な種類のグラフや表を作成することが可能です。
3-7. 申請業務のプロセス管理
複数のユーザーでレコードの編集や確認をするためにプロセスを設定することができます。
これにより、申請の承認や稟議の決裁などをアプリで管理して、ワークフローのように使用することが可能です。
「アクション実行前のステータス」「作業者」「アクションが実行できる条件」「アクション名」「実行後のステータス」を設定して使用できるようにします。
3-8. プラグイン
kintoneには様々なプラグインが存在していて、kintoneを活用できる範囲を広げることができます。
設定画面から誰でも簡単にキントーンの機能を拡張でき、パッケージ化されているので効率よく業務ができます。
プラグインにはフォームを作成できる「フォームブリッジ」、kintoneに登録されているデータから帳票を作成・出力できる「プリントクリエイター」、kintoneから直接メールを送信できる「kMailer」、kintone内にある情報やデータを外部に公開出来る「kViewer」などが存在しています。
※プラグインは有料のものが多く、kintoneとは別に契約が必要
参考サイト:ローコード開発とは? ほかの開発方法との違いとメリット・デメリット | 株式会社 日立ソリューションズ・クリエイト (hitachi-solutions-create.co.jp)
ローコード開発の前に考慮すべき5つのデメリットとは?対策まで解説 | 国内初のノーコード・ローコード特化型システム受託開発サービス (bolt-dev.net)
kintone ヘルプ (cybozu.help)