【初心者向け】CCNA基礎 3章
こちらでは、CCNAの資格取得へ向けた情報を記載いたします。
1. TCP/IPモデル
TCP/IPモデルとは、OSI参照モデルよりも前に生み出されたもので、インターネットで利用されている通信プロトコル群のことを指します。
このモデルは、主に「TCP(Transmission Control Protocol)」と「IP(Internet Protocol)」の2つを中心とした、複数のプロトコルから構成されています。
この「TCP」とは、データの信頼性を保証するプロトコルを指します。
主に、通信を行うPC同士がお互いのやり取りをその都度確認する役割があり、メールの送受信などの場面で利用されています。
一方の「IP」とは、IPアドレスを元に通信先を指定してデータをIPパケットにして届けるためのプロトコルを指します。
基本的には先ほどのTCPとセットで利用されます。
また、トランスポート層のTCPセグメントやUDPデータグラムに「IPヘッダ」を付加し
そのIPヘッダを付与したデータが「IPパケット」と言われています。
ちなみにこの「IPヘッダ」は、最小20バイト~最大60バイトとなっており、宛先のIPアドレスや送信物とIPアドレスなどを含んでいます。
つまりTCP/IPは、IPが先にネットワーク経由でデータを細分化したパケットを受信し、その後でTCPがパケットの内容を確認しながら受け取ったデータを正しい順番に再度組み立てなおす働きをするものとなっています。
なお、このモデルでもOSI参照モデルと同様にデータのカプセル化/非カプセル化が行われます。
2. OSI参照モデルとTCP/IPモデルの階層
ここで、「OSI参照モデル」と「TCP/IPモデル」の階層について、それぞれ比較してみましょう。
まず、TCP/IPモデルは全4階層で形成されておりこのモデルはOSI参照モデルに合わせる形で作られてはいないため、OSI参照モデルの様に各階層を正確に紐づけることはできません。
そのため、それぞれの階層が機能を果たすことでやっと、ネットワーク全体が利用可能となります。
2-1. アプリケーション層
TCP/IPモデルでのアプリケーション層は、OSI参照モデルでいう「アプリケーション層」「プレゼンテーション層」「セッション層」を1つにまとめたものであり、その全ての機能を持っている層です。
この様に1つにまとめることで、実装する際に効率的な仕様となっています。
主な役割もOSI参照モデルと同様で、Webサイトや電子メールなどのインターネット上で提供されている各種サービスとデータをやり取りする階層となっています。
2-2. トランスポート層
この層は、OSI参照モデルのトランスポートと同様で主に、アプリケーション層で利用されるプロトコル間での通信を制御する役割があります。
上位層のプロトコル間の通信の橋渡し役として存在しており、その用途によって「TCP」か「UDP」を利用する機能を持っています。
「UDP」とは、通信速度を優先するプロトコルでデータの信頼性よりも通信速度を重視するアプリケーションで利用されるものです。
主に、動画配信などのリアルタイムでデータを送信する場面で利用されており、逆にデータの確実性を重視する場合は、先程のTCPを利用されています。
また、このUDPで扱うデータを「UDPデータグラム」と言います。
これらを駆使する事で、送受信が正しく行われているかを確認したり重複送信やエラーが発生しているかを検証出来るため、ネットワークの信頼性が高まり、システム構成の安定が可能になっています。
2-3. インターネット層
この層は、別名「IP層」とも呼ばれておりIPプロトコルやそれに関連する経路制御プロトコル、このTCP/IPモデルの中で最も重要な層です。
インターネット層には、「インターネットプロトコル(IP)」「アドレス解決プロトコル(ARP)」
「インターネット制御メッセージプロトコル(ICMP)」がそれぞれ組み込まれており、主に、IPアドレスの割り当てや、データの伝送経路の選択(ルーティング)などエンドツーエンドの通信を制御する役割があります。
また、IPの通信プロトコルはこの層で用いられており、IPv4とIPv6の2種類に分類されています。
2-4. リンク層
この層は、別名「ネットワークインターフェイス層」とも呼ばれておりOSI参照モデルでいう「データリンク層」と「物理層」をまとめたものです。
PCやルータなどのネットワーク機器を結ぶ線を「リンク」と呼ぶことから、この名前が付けられたそうです。
主に、直接接続されている機器同士の通信を制御することでインターネット層から渡されたIPパケットを処理して、電気信号へ変換してケーブルに送信する役割があります。
代表的なプロトコルは、WANやPPPなどが挙げられます。
また、自分の位置情報にもなる「MACアドレス」という物理アドレスを割り当てることも可能なためローカルでノード間の通信が実現できるのもこの層の特徴です。
なお、OSI参照モデルでいう「物理層」の部分に関しては、感知しないか、リンク層の仕様の一部と判断されるので、TCP/IPモデルではこのリンク層が最下層として定められています。
3. イーサネットについて
イーサネットとは、一般的に使われているPCの通信の仕組みを搭載したもので、2台のPCをケーブルで接続すると、共通のハードウェアを利用して通信が可能になります。
また、3台以上を繋いだネットワークを構成する場合は、スイッチングハブ(スイッチ)という機器を使用する必要があります。
このイーサネットは、LANやWANの一部においてリンク層(データリンク層と物理層)で利用されるプロトコルとなっています。
主に、物理ケーブルの仕様や、扱うデータの形式などを規定しているものです。
また、リンク層ではIPパケットにイーサネットヘッダというトレーラを付加し、フレームへ変換します。
このヘッダには、宛先と送信元のMACアドレスなどを含んでおり、トレーラにはフレームの誤りをチェックするための情報がそれぞれ含まれています。
そして、フレームを電気信号に変換し、物理ケーブルを通して宛先へ送信します。
更に送信先では、先程受け取った電気信号をフレームに再度変換し直してフレームからヘッダとトレーラを取り外したIPパケットを、上位のインターネット層へ送信します。
4. まとめ
前回も記載した様に、OSI参照モデルは実際に利用されなくなったものの通信時の基本的概念として残っていることが、今回でよく解ったと思います。
それ故に前回と重複する部分も出てしまいましたが、その分覚えることも少ないので、優しい内容にはなっていたのではないでしょうか。
次回は、最後の方に記載していたイーサネットについてやイーサネットLANについての基礎部分をまとめていきます。