【JavaとJavaScript】プログラミング言語の違いと選び方

公開日: 2024/9/3

プログラミングの世界に足を踏み入れようとする際、最初に直面する疑問の1つは、どのプログラミング言語を学ぶべきかということでしょう。

特に初心者の場合、JavaとJavaScriptの2つの言語は名前が似ていることから混同されることがありますが、実際には全く異なる特性と用途を持つ言語です。


本記事では、JavaとJavaScriptの違いを明らかにし、それぞれの言語の特徴や学習のメリットについて探求していきます。

1. 名前は似てるけどJavaとJavaScriptは違う


JavaとJavaScriptは名前が似ていることから混同されることがありますが、実際には全く異なるプログラミング言語です。


Javaは、1995年に開発されたオブジェクト指向のプログラミング言語であり、バックエンドやモバイルアプリケーションなど幅広い領域で利用されます。

Javaはコンパイル型言語であり、一度コンパイルされたコードは異なるプラットフォームでも実行可能です。

また、堅牢性やセキュリティの面で高い評価を受けています。


一方、JavaScriptは、1995年に開発されたスクリプト言語です。

主にWeb開発で利用され、ウェブページの動的な要素やユーザーインタラクションを制御するために使われます。

JavaScriptはインタプリタ型言語であり、実行時にコードが解釈されます。

近年では、フロントエンド開発だけでなく、バックエンド開発も可能なフレームワークやライブラリが登場し、その用途は多岐にわたっています。


これらの違いから分かるように、JavaとJavaScriptは名前こそ似ていますが、用途や特性、文法、動作方法などが異なります。

適切なコンテキストでそれぞれの言語を使い分けることが重要です。

2. Javaとは


2-1. Javaの特徴

Javaは多くの特徴を持つ、幅広い用途に利用されるプログラミング言語です。

・オブジェクト指向

Javaは純粋なオブジェクト指向言語であり、全てがオブジェクトとして扱われます。

これにより、再利用性、保守性、拡張性が高まります。

・プラットフォームの独立性

JavaはJava仮想マシン(JVM)上で動作するため、コンパイルしたプログラムは異なるプラットフォームで実行可能です。

これが「Write Once, Run Anywhere(一度書けばどこでも実行可能)」の理念です。

・ポータビリティ

Javaのコードはプラットフォームに依存しないため、異なる環境でも同じように動作します。

これにより、開発者は様々な環境でアプリケーションを展開できます。

・自動メモリ管理

Javaはガベージコレクタによる自動メモリ管理を提供します。

開発者が手動でメモリを管理する必要がなく、メモリリークなどの問題が低減します。

・豊富なライブラリ

Javaは豊富な標準ライブラリを提供し、開発の効率が向上します。

様々な用途に使えるライブラリが用意されており、開発者はこれらを組み合わせて効率的にアプリケーションを構築できます。

・強い型付けと安全性

Javaは静的な型付けを採用しており、コンパイル時に型の不整合を検出することができます。

これにより、安全で信頼性の高いコードを書くことが可能です。

2-2. Javaでできること

Javaは非常に多くのことが可能な汎用プログラミング言語であり、幅広い用途に利用されています。

・アプリケーション開発

Javaはデスクトップアプリケーションやコンソールアプリケーションの開発に利用されます。

SwingやJavaFXなどのフレームワークを使い、直感的で使いやすいアプリケーションを構築できます。

・Webアプリケーション

Javaは多くのWebアプリケーションフレームワーク(Spring、Struts、JavaEEなど)を利用して、堅牢で高性能なWebアプリケーションを開発できます。

ServletやJSPなども広く利用されています。

・モバイルアプリケーション

JavaはAndroidアプリケーションの開発に利用されます。

Android StudioとJavaを組み合わせて、多様なAndroidデバイス向けのアプリケーションを開発できます。

・組み込みシステム

Javaは組み込みシステムや組み込みデバイス向けの開発にも利用されます。

小さなデバイスから大規模な組み込みシステムまで対応可能です。

・大規模システム

Javaは大規模なエンタープライズシステムの開発に適しており、多くの企業で広く採用されています。

セキュリティ、耐障害性、拡張性などの要求に応えることができます。


・ビッグデータ処理
Javaはビッグデータ処理のためのツールやフレームワーク(Hadoop、Sparkなど)の開発にも利用されます。

大量のデータを効率的に処理する能力があります。

3. JavaScriptの特徴


3-1. JavaScriptの特徴

JavaScriptは、ウェブページの動的な挙動を制御するためのスクリプト言語であり、以下の特徴があります。

・クライアントサイド言語

ブラウザ上で動作するクライアントサイドのスクリプト言語です。

ユーザーのコンピュータやデバイスで直接実行され、リアルタイムの動的なコンテンツやインタラクティブな要素を提供します。

・動的なウェブページ

HTMLやCSSと連携して、ウェブページの要素やスタイルを動的に変更することができます。

ユーザーの操作に応じてコンテンツを動的に更新したり、フォームの入力値を検証したりすることが可能です。

・イベント駆動プログラミング

ユーザーのアクション(クリック、キー入力など)やシステムのイベントに対する反応を定義することができます。

これにより、ユーザーとの対話性の高いアプリケーションを開発できます。

・オブジェクトベース

JavaScriptはオブジェクトベースのプログラム言語であり、オブジェクトを使ってデータや機能をまとめます。

プロトタイプベースの継承やクロージャなど、柔軟なオブジェクト指向プログラミングが可能です。

・クロスプラットフォーム

ほとんどの現代のウェブブラウザはJavaScriptをサポートしており、さまざまなプラットフォームやデバイスで動作します。

これにより、ユーザーのデバイスに依存せず、一貫した動作を提供できます。

・拡張性と豊富なライブラリ

JavaScriptは豊富なライブラリやフレームワークが存在し、これらを利用することで効率的な開発が可能です。

React、Angular、Vue.jsなどは人気のフレームワークの一部です。

3-2. JavaScriptでできること

JavaScriptは非常に多くのことが可能なスクリプト言語であり、主にウェブ開発のフロントエンドで活用されます。

・インタラクティブなウェブページの構築

JavaScriptを使うことで、ユーザーとのインタラクションを高めたウェブページを構築できます。

例えば、フォームのバリデーションやダイナミックなコンテンツの表示、アニメーションなどがあります。

・非同期通信とAPIの利用

JavaScriptは非同期通信をサポートし、サーバーや外部APIとのデータの非同期取得や送信が可能です。

これを利用して、動的なコンテンツの更新やリアルタイムの情報提供ができます。

・クロスプラットフォームモバイルアプリケーションの開発

フレームワーク(React Native、Ionic、NativeScriptなど)を使用することで、JavaScriptをベースにしたクロスプラットフォームのモバイルアプリケーションを開発できます。

・ゲーム開発

JavaScriptを用いたHTML5ゲームの開発が可能です。

CanvasやWebGLを活用して、ブラウザ上で動作するゲームを制作できます。

・デスクトップアプリケーション開発

Electronというフレームワークを使うことで、JavaScript、HTML、CSSを用いてクロスプラットフォームのデスクトップアプリケーションを開発できます。

・サーバーサイド開発

Node.jsという環境を利用することで、JavaScriptでサーバーサイドの開発が可能です。

WebサーバーやAPIサーバー、マイクロサービスなどを構築できます。

4. どちらの学習がいいのか


4-1. HP等デザインにも関わりたいならJavaScript

ウェブサイトやウェブアプリケーションのデザインに深く関与したいのであれば、JavaScriptは欠かせない要素です。

JavaScriptはウェブページのインタラクティブな要素や動的な表示を制御するための重要なプログラミング言語です。


まず、JavaScriptを利用することで、ウェブサイトやアプリケーションのユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。

例えば、ユーザーがボタンをクリックした際にアニメーションを加えたり、スクロール時に要素を動かしたりすることで、視覚的に魅力的なサイトをデザインすることが可能です。


また、非同期通信を利用してサーバーからデータを取得することで、動的なコンテンツの表示やリアルタイムな情報の更新を実現できます。

これにより、ユーザーはより迅速な情報アクセスや快適な操作を体験できます。


さらに、レスポンシブデザインへの対応や、フォームの入力内容のバリデーションなど、モダンなウェブデザインにおいて必要な機能をJavaScriptを使って実装できます。

これは、様々なデバイスや画面サイズに対応した、使いやすく美しいデザインを実現する上で重要です。

4-2. 開発がしたいならJava

プログラミングの世界で多岐にわたる分野で利用されるJavaは、特に開発者にとって魅力的な選択肢です。

Javaは、その特性や利用シーンの多様性から、幅広いプロジェクトでの開発に適しています。


Javaの魅力の一つは、プラットフォームの移植性にあります。

JavaはJava仮想マシン(JVM)上で動作するため、OSやハードウェアの違いに関係なく実行できます。

この特性により、一度開発したアプリケーションは様々なプラットフォームで動作可能となります。


また、豊富なライブラリとフレームワークがJavaの魅力です。

Spring、Hibernate、Strutsなどのフレームワークや豊富なライブラリを活用することで、効率的に開発を進めることができます。


安全性と堅牢性もJavaの利点の一つです。

静的型付けと豊富な例外処理がコードの品質を高め、安全で堅牢なアプリケーションの開発を支援します。

また、メモリ管理が自動的に行われるため、メモリリークのリスクが低減します。


大規模プロジェクトにおいても、Javaはその強力なツールセットや豊富なコミュニティサポートにより、効果的な開発が可能です。

多人数での共同開発に適しており、コードの管理や保守がしやすい特徴があります。


エンタープライズアプリケーションの開発にも適しており、多くの企業で採用されています。

大規模なシステムやクライアント・サーバーアプリケーションを開発する際には、Javaが選ばれることが多いです。

5. まとめ

JavaとJavaScriptは両者異なる言語であり、それぞれの特性や利用シーンが異なります。

Javaはプラットフォームの移植性や堅牢性、大規模プロジェクトへの適用性が強みであり、エンタープライズアプリケーション開発に向いています。


一方、JavaScriptは主にフロントエンド開発に用いられ、動的なウェブページの構築やユーザーインタラクションの実装が得意です。

どちらを選ぶかは、プロジェクトの性格や目的によりますが、両者を適材適所で活用することで、幅広いプログラム開発に貢献することが可能です。