【初心者向け】データベースセキュリティについて

公開日: 2025/7/25

データベースを設計する際や、不正アクセスがあった際にセキュリティを見直したり考えたりする必要があると思います。今回はデータベースセキュリティについてどういった内容なのか、どういったことを考慮して設計すればよいのか解説していきたいと思います。

1. データベースセキュリティとは


データベースセキュリティとは、言葉のままデータを格納するデータベースに関するセキュリティ対策のことです。
例えば企業のデータベースには、かなり重要な情報が沢山含まれています。データベースを導入していない企業でもエクセルやスプレッドシートも重要な情報に含まれています。そういった情報をサイバー攻撃や、不正アクセスから守るためにセキュリティの強化や対策は必須となります。データベースセキュリティで対策することで重要な情報を安全に管理することができます。
続いて、どういった点がデータベースセキュリティで重要になるのか解説します。

1.認証とアクセス制御

データベースにアクセスするユーザーの認証とアクセス制御は、データベースセキュリティの基本になってきます。ユーザーは、ユーザー名とパスワード、マルチファクタ認証などの認証方法を使用して正しい方法でアクセスできるようにしなくてはなりません。また、各ユーザーには役割(ロール)が割り当てられ、そのロールに基づいてデータベースへのアクセス権が制御されています。

2.データの暗号化

データベース内の機密情報は、暗号化されていないといけません。暗号化することで、データが不正アクセスから保護され、セキュリティを向上させることができます。特に、ストレージやバックアップなど、データが転送されるあらゆる箇所での暗号化が重要になってきます。

3.アクセス監査とログ管理

データベースに対するアクセスや操作の監査ログを定期的に確認して、不審なアクティビティがないかどうかを確認することが重要になってきます。またログは適切な方法で管理され、必要に応じて法的な要求があった際に対応できるように保管されていないといけません。

4.セキュリティポリシーと更新管理

データベースのセキュリティポリシーは、組織のセキュリティ目標や規制要件に基づいて設定されていないといけません。また、データベース管理システムやセキュリティツールの更新を定期的に行い、最新の脆弱性に対応できるようにする必要があります。

5.バックアップと災害復旧

データベースのバックアップと災害復旧計画は、データの損失やシステムの停止からデータベースを保護するために欠かせません。定期的なバックアップと災害復旧のテストを行い、迅速かつ効果的な対応を確保することが重要です。

それではデータベースのセキュリティを強化するためにはどういったものがあるのでしょうか。

2. セキュリティ強化のための3つの要素


1.暗号化

セキュリティを強化するには大きく3つの要素が必要とされています。まず1つめは「暗号化」です。

暗号化とはデータを人間が理解できる形式から不可読な形式に変換する方法であり、アクセス権があるユーザー以外がデータを読み取れないようにすることです。以下に、データベースセキュリティの暗号化について分かりやすく説明します。

■データベースレベルの暗号化
データベースレベルの暗号化では、データベースエンジンが暗号化と復号化を処理しています。これにより、データベース内のテーブルや列ごとに暗号化を設定できます。暗号化されたデータはデータベース内で保存されますが、データベースにアクセスする際に自動的に暗号化/復号化されます。

アプリケーションレベルの暗号化
アプリケーションレベルの暗号化では、アプリケーションがデータを暗号化してデータベースに保存し、必要に応じて復号化します。アプリケーションがデータを暗号化するためには、暗号化アルゴリズムと鍵の管理が必要になってきます。

■暗号化の適用範囲
暗号化は機密性の高いデータに適用されることが一般的です。例えば、顧客の個人情報や社内の機密情報などが暗号化されます。ただし、すべてのデータを暗号化するとパフォーマンスに影響が出る場合があるため、セキュリティ要件に基づいて適切な範囲で暗号化を実施する必要があります。

■鍵の管理
暗号化の鍵はデータの安全性に直接関連しています。鍵の安全な生成、保存、管理が重要です。鍵の漏洩や不正なアクセスを防ぐために、鍵を適切に保護する必要があります。
データベースセキュリティの暗号化は、データの機密性を高め、不正アクセスからデータを保護する重要な手段です。しかし、適切な暗号化アルゴリズムと鍵の管理が必要であり、暗号化の適用範囲を適切に決定することが重要です。

2.権限分掌

2つ目は権限分掌です。

権限分掌とは、部署や役割に応じてアクセス権限を細かく設計し、重要機密データを守ることです。権限分割ともいいます。以下で、権限分掌についていくつかの方法を解説します。

■権限の種類
データベースセキュリティの権限は、主に以下の2つの種類に分けられます

■システム権限
 データベース全体を管理するための権限であり、データベースの作成、削除、バックアップ、リカバリなどの操作を行うための権限です。

■オブジェクト権限
 テーブル、ビュー、ストアドプロシージャなどのデータベースオブジェクトへのアクセスを制御するための権限です。これには、読み取り、書き込み、更新、削除などが含まれています。

■権限の付与と剥奪
データベース管理者は、ユーザーまたはロールに権限を付与または剥奪することができます。権限の付与は、データベースオブジェクトや操作に対するアクセス権を与えることを意味しており、権限の剥奪はその逆になります。

■最小権限の原則
データベースセキュリティでは、最小権限の原則が重要です。つまり、ユーザーやロールに与えられる権限は、業務上必要な最低限の権限に限定されるべきです。不必要な権限を与えないことで、権限の誤用や不正なアクセスを防止することができます。

■セキュリティポリシーの設定
組織は、データベースセキュリティポリシーを定義し、それに基づいて権限の管理を行う必要があります。ポリシーには、誰がどのような権限を持ち、どのような操作を行うことができるかに関する規則が含まれています。

■監査と監視
データベースの権限付与やアクセスログの監査を定期的に行うことで、不正なアクセスや権限の乱用を検出することができます。監査ログは不正行為の追跡や法的な証拠として役立ちます。

3.監査ログ

3つ目は監査ログです。監査ログとはデータベース内の顧客データなどを、いつ、どこで、誰が触ったか、といった記録を残すのが監査ログです。
監査ログツールとして「Oracle AVDF」や「Logstorage」、「PISO」などがあります。では監査ログにはどういったものがあるのか以下で解説します。

■監査ログの内容
監査ログには、次のような情報が記録されます

・ユーザーのアクセス履歴(ログイン、ログアウト)。
・データベースへのアクセス

3. まとめ

今回は、データベースセキュリティについてまとめてみました。実際にSQLクエリや、プログラミングで操作する内容ではありませんでしたが、知っておくべき内容なのは間違いありません。これからセキュリティに関してもっと重要になってきますので、この際に知識として蓄えてみてはいかがでしょうか。