【初心者向け】CCNA基礎 17章

公開日: 2024/12/10 更新日: 2024/11/11

こちらでは、CCNAの資格取得へ向けた情報を記載いたします。

1. ルータの基本機能の設定


Cisco製のルータは購入直後や初期化後の場合は設定が何もされていない状態なので、ルータのホスト名の割り当てや、パスワードの設定などを行う必要があります。

今回は、そんな設定についてご紹介していきます。

1-1. ホスト名の設定について

まず「ホスト名」とは、その機器に設定することが出来る名前のことを指しています。

Cisco製のルータはデフォルトで「Router」という名前が付けられています。

これは、マンションの1室の様な小規模なオフィスのネットワークであればルータも1台のみである可能性はありますが、それ以上のもっと大きな規模のネットワークだった場合は
より多くのルータを使用することになると思います。


そういった複数台のルータを使用している場合は、同じホストで設定されていると、どれがどの機器にログインしているかが解らなくなってしまいます。

そのため、ホスト名をデフォルト名からそれぞれ固有の名前に変更することで見分けがつく様にする必要があります。

このホスト名を変更するには、グローバルコンフィギュレーションモードに移行し、「(config)#hostname <設定したいホスト名>」とコマンド入力すると変更が可能です。


また、ホスト名については「63文字以下であること」「英語で始まって、英語か数字で終わるものであること」、そして、「先頭と最後の文字の間には、英語か数字、ハイフンのみが使用可能」というルールがあるので、それに沿って命名する必要があります。

1-2. 設定の削除について

先程の手順でホスト名の設定は出来るものの、もし名前を間違ってしまったり、その他の部分で設定をし直す必要が出た場合は、一度設定の削除をする必要があります。

その場合は、削除したいコマンドの前に「no」を付けて実行することで削除ができます。

ただし、実行する際は設定時と同じモードで実行しなければエラーとなるため注意が必要です。


ちなみに、ホスト名は各機器に1つずつしか付けられません。

この様に、1つしか設定できないコマンドでは、毎回設定を削除せずとも、再度同じコマンドを実行することで、上書きすることが可能となっています。

2. セキュリティ確保の必要性について


ルータにアクセスする際には、コンソール接続かVTY接続を利用する必要があります。

どちらの方法で接続するとしても、無条件でログイン出来てしまうと、当然ながら不正アクセスも発生する可能性が出て来てしまいます。

そのため、セキュリティの観点から、ログインする際に必ず認証パスワードを求める様に設定する必要があります。


また、ユーザEXECモードから特権EXECモードへ移行する際にもパスワードを要求するように設定することが可能です。

この様に、よりセキュリティを強固にしておくためには、パスワード設定をしておくことが一般的となっています。


なお、パスワード設定には「コンソールパスワード」「イネーブルパスワード」「VTYパスワード」の3種類のパスワードがあります。

2-1. コンソールパスワード

コンソールパスワードの設定は

 1:ラインコンフィギュレーションモードに移行する

 2:パスワード設定をする

 3:認証を有効にする

の順で行うことができます。


まず「1」のラインコンフィギュレーションモードに移行する部分ですが、このモードに移行するには、グローバルコンフィギュレーションモードで「line console 0」とコマンド入力します。

このConsoleポートは機器に1つだけとなっており、0番から数える仕様となっているため、まずは0を指定してあげる必要があります。

逆に、0以外を指定することは出来ません。


このコマンドを実行すると、プロンプトが「(config-line)#」となります。

これは、ラインコンフィギュレーションモードに変わったことを示す表示なので、こちらを見て、モード変更が出来たことを確認してみてください。


次に、「2」のパスワードを設定する部分ですが、これを設定するには、ラインコンフィギュレーションモードで「(pconfig-line)#password <設定したいパスワード>」とコマンド入力することで、設定することが出来ます。

また、コンソールパスワードだけではなく、全てのパスワードについては、使用する文字の大文字と小文字がそれぞれ区別される仕様となっています。


最後に「3」の認証の有効化についてですが、これには、ラインコンフィギュレーションモードで「(config-line)#Login」とコマンド入力することでパスワード認証を有効化することが可能となります。

2-2. イネーブルパスワード

イネーブルパスワードを設定するためには、「(config)#enble password <設定したいパスワード>」とコマンド入力することで設定が可能になります。

2-3. VTYパスワード

VTYパスワードを設定については、基本的にはコンソールパスワードと同じですが、ラインコンフィギュレーションモードへ移行する前に、グローバルコンフィギュレーションモードで「(config)#Line vty <開始ライン番号> [<終了ライン番号>]」とコマンド入力する必要があります。

そうすることで、この<開始ライン番号>と<終了ライン番号>で指定した範囲のVTYポートにまとめて設定を行うことが出来る、ラインコンフィギュレーションモードへと移行することが可能です。


また、<終了ライン番号>部分を省略すると、<開始ライン番号>部分で指定したVTYポートのみに設定を行うラインコンフィギュレーションモードへと移行します。

なお、ラインコンフィギュレーションモードにおいての「passwordコマンド」と「loginコマンド」は、コンソールパスワードと同じものとなっています。

3. VTYポートの役割


VTYポートとは、別名「仮想端末ポート」とも呼ばれており、Consoleポートとは違って実際にVTYポートという差込口がルータに存在するわけではなく、機器の内部に存在する仮想的なポートとなっています。

例えば、TELNEやSSHでのVTY接続ではEthernetポートなどの通信を行うポートから、機器内部のVTYポートを経由して接続される流れとなっています。

4. まとめ


お疲れ様でした。 ここまで読んでいただきありがとうございます。

今回は各種設定についての説明となり、前回まとめたモードについてもちらほら出てきたので解らなくなった場合は是非前回分も一緒に見ながら読み進めていってください。

次回は、SSHの設定についてまとめていきます。