【初心者向け】CCNA基礎 8章

公開日: 2024/10/23

こちらでは、CCNAの資格取得へ向けた情報を記載いたします。

1. コリジョンドメインについて


コリジョンドメインとは、コリジョンを検出するために設定されたネットワーク上のセグメントで、主にコリジョンが発生する範囲を指します。

もう少し噛み砕くと、「コリジョン」と「ドメイン」が合体したものであり、「コリジョン」=通信中のデータが互いにぶつかってしまう(ネットワーク上での交通事故)で、「ドメイン」=「範囲」「領域」といった感じで考えていただけると解りやすいかと思います。


CSMA/CD方式でのアクセス制御は、コリジョンが発生した場合、ジャム信号(またはジャミング信号)をそれぞれのノードに送信します。

このジャム信号が行き渡る範囲が「コリジョンドメイン」となります。

コリジョンドメインの範囲は、使用するネットワーク機器によって変化します。


物理層で動作するリピータハブでは、全てのポートへデータが流れるため、接続されている端末で構成されているネットワークがコリジョンドメインの1つとなります。

そのため、リピータハブのポート全てがこの範囲となるので、コリジョンの影響範囲が大きく、通信効率も悪くなってしまいます。


データリンク層で動作するブリッジやスイッチは、受信したフレームは対象の端末にのみ送信されるので、他の端末へも影響はない状態となります。

この場合は、機器に接続している端末が個別のコリジョンドメインとなります。

この様に、スイッチの各ポートに端末を1台のみ接続し、コリジョンドメイン内でその端末だけが帯域を占有出来る構造にすることを「マイクロセグメンテーション」といいます。


ネットワーク層で動作するルータは、2つの異なるネットワークを分割するという役割から、コリジョンドメインもスイッチと同じ様に分割されます。

2. ブロ-ドキャストドメインについて


ブロードキャストドメインとはブロードキャスト通信が届く範囲を指しており、
この範囲が1つのネットワークとしても扱われています。

また、基本的にリピータハブやスイッチでは、ブロードキャスト通信が受信ポート以外の全てのポートから転送され、接続している全ての機器へ届きます。

そのため、ブロードキャストドメインは全体で1つとなります。

なお、ルータではブロードキャスト通信を転送しない様にしているため、ブロードキャスト通信の届く範囲が分割されています。

3. オートネゴシエーション


オートネゴシエーションとは、通信を始める前にどの様に行うかの認識合わせのことで
接続する相手にあわせて自身通信モードを半二重か全二重にしたり、通信速度を自動で切り替える機能を指します。

例えば、AのPCは2種類の規格のみ対応しているのに対して、BのPCは4種類の規格に対応している場合、双方が対応している規格を比較し、お互いに対応している規格でより良い通信手段を選んでくれるのがこの機能です。


オートネゴシエーションは、ノード間でFLP(Fast Link Pulse)バーストというパルス信号を交換することで、相手の通信モードや通信速度を検出して、あらかじめ決められた優先順位に従って決定します。

その後、互いの機器が対応している優先順位の高い物を選ぶ仕様となっています。

3-1. オートネゴシエーションの注意点

先程記載したオートネゴシエーションは、とても便利な機能であり、近年のルーターやスイッチの殆どが、このオートネゴシエーションをサポートしています。

しかしながら、場合によっては通信モードや通信速度が固定されているケースもあり、片方はオートネゴシエーション機能を無効にしていて、もう片方は有効にしている様な場合は、通信がとても不安定になってしまいます。

4. アドレッシングとIPv4アドレス


アドレッシングとは、ネットワーク上の機器へIPアドレスを割り当てること指します。

一方のIPv4アドレスとは、インターネットなどで用いらられるIP(Internet Protocol)のバージョン4(IPv4)における機器の識別番号(アドレス)を指します。


この番号は32ビットで構成されており、およそ42億台もの機器をそれぞれ識別することが可能です。

また、IPv4は現在最もインターネットで利用されているIPとなります。


しかし、このIPv4アドレスはあまりにも普及しすぎてしまい、2011年にはICANNが各地域のRIRに割り当てるための在庫が枯渇し、更には2012年から2019年にかけて各RIRの未使用アドレスも同様に使い果たしたため、これ以降は既存の割当先から接続は良しで返却されてくる分以外は、まとまった数での新規アドレス発行ができない状況にあります。

4-1. IPにおけるデータの流れ

以前登場したイーサネットでは、MACアドレスで宛先を指定していましたが、ネットワーク層のIPでは「IPアドレス」を指定することで通信を行います。

また、イーサネットは直接接続されている同一の回線上での機器間で通信を行いますが、ネットワーク層のIPではIPアドレスを使用するため、ルータを介して接続されている異なった回線上の端末とも通信が可能です。


IPにおけるデータの流れについては、日常でいうと「郵便配達の流れ」を想像していただけると解りやすいです。

例えば、手紙や荷物を送る際に住所を記載することで届けたい相手へ送ることができる様に、IPではデータがそこで言う「郵便物」という扱いになります。

そのデータを「IPパケット」と呼び、そこに含まれるIPヘッダ内には、住所となる「IPアドレス」が格納されており、その情報を読み取って届けたい場所へデータを送信する流れになっています。


その後、最寄りの配達局であるルータにIPパケットが送信され、ルータそこからIPアドレスを基に次のルータへとIPパケットを転送していきます。

この様にして、目的の宛先であるIPアドレスを持つ端末へ送信されます。

4-2. IPヘッダについて

IPでは、IPアドレスを用いて通信制御を行います。

このIPアドレスは、物理アドレスとも呼ばれるMACアドレスに対して、「論理アドレス」とも呼ばれています。

IPネットワークでは、IPアドレスで宛先を識別するので、PCやルータの様なネットワーク機器には、それぞれのIPアドレスが割り当てる必要があります。


このIPアドレスを割り当てることを「IPアドレッシング」と呼び、IPパケットの中に含まれる「IPヘッダ」という部分に格納されています。

また、IPヘッダの前半20バイト部分は、必ず付加される基本フィールドとなっていますが、後半の0~40バイト部分のオプションについては、付加されていなくても問題ない部分となります。

5. まとめ


お疲れ様でした。 ここまで読んでいただきありがとうございます。

今回は身近な物に例えてお届けできたので皆さんも想像しやすかったのではないでしょうか。

CCNAが未経験者でも取り組みやすいと言われているのはこういった部分に要因があるのかもしれませんね。


次回は、IPv4アドレスについてもう少し掘り下げていきます。