【初心者向け】CCNA基礎 6章

公開日: 2024/10/10

こちらでは、CCNAの資格取得へ向けた情報を記載いたします。

1. イーサネットLANの機器について


イーサネットLANの中で使用される機器には様々な物があり、大抵の機器を接続するためには、複数のケーブルを接続するような集線装置が必要です。

ごく一般的なネットワークでは、PCやLANケーブル、ルータやLANスイッチの様なネットワーク機器から構成されています。

そうしたネットワーク機器は、OSI参照モデルのレイヤ3からレイヤ1で対応していますが、今回は物理層の機器である「リピータハブ」や「データリンク層」の機器でもある「レイヤ2スイッチ」について解説していきます。

1-1. リピータハブ

リピータハブは、受信した電気信号を中継する機器を指しています。

主に、複数の端末をネットワークに接続する際に使用いられます。

このリピータハブは、OSI参照モデルでいう物理層(L1)で動作する機器でもあります。

リピータハブは、端末から届いた電気信号を増幅したり整えるといった機能を持ち合わせていますが、あくまで中継するだけであり、宛先を見て転送先を判断・決定する機能までは持っていません。


そのため、リピータハブはポートから電気信号を受信すると「送信元以外のポート全てにデータを送信してしまう」といった性質があります。

その結果、関係のない端末へもデータが送られてしまいますが、受け取った端末自体は宛先を確認して関係のないデータは破棄する動きをするため無駄な負荷をかけてしまうこととなります。


また、リピータハブに繋がっている機器は、皆で1つの回線を共有している状態となり、通信方式も半二重通信のみが可能なため、送受信を同時に出来ず複数のポートから同時に電気信号を受信してしまった場合はデータの制御が出来ないため、コリジョンが発生してしまいます。

この様に、接続する端末が増えれば増える程、通信効率も悪くなってしまうため、近年ではスイッチ昨日の一部を持つ「スイッチハブ」や「スイッチ」を使用することが多くなりました。

1-2. スイッチ(レイヤ2スイッチ)

スイッチとは、接続したコンピュータなどの機器同士の相互通信を可能にする集線装置を指します。

このスイッチは、ネットワークを構成するためにはとても重要な機器でもありLAN内で使用されるスイッチを「LANスイッチ」と言います。

例えば、利用できるコンセントを増やす場合に、電源タップなどを用いて分岐・複製させることで、利用出来るコンセントの数を増やしますが、それと同じ原理でLANスイッチも利用されていると考えていただければ分かりやすいと思います。


このLANスイッチには「レイヤ2スイッチ」や「レイヤ3スイッチ」などがあり「レイヤ2スイッチ」はOSI参照モデルのデータリンク層(レイヤ2)で動作する機器のためそう呼ばれています。

今回は、このレイヤ2スイッチの機能について記載していきます。


また、先程記述したリピーターハブに対して、スイッチは送りたい相手にのみデータを送信したり、同時に複数の端末で通信することが可能です。

この様な動作は、スイッチ自体に「フィルタリング」や「MACアドレスの学習」「フロー制御」などの機能が備わっていることにより、実現が可能となりました。

2. フィルタリングについて


まず、スイッチが送りたい相手にのみデータを送信する場合、その相手がどのスイッチのポートに接続しているかを確認する必要があります。

そのためスイッチは、「受信したフレームの宛先MACアドレスを基に宛先を確認・識別する」という動作を行います。


こうすることで、スイッチは内部にスイツチのポートと、そのポートに接続している端末のMACアドレスを紐づけた「MACアドレステーブル(またはCAMテーブル)」というものを持ち、受け取った電気信号をフレームへ変換してから宛先MACアドレスを確認します。

その後、そのアドレスを基にMACアドレステーブルを検索して、該当するポートへデータを送信する、という動作を行います。

この動作を「フィルタリング」と言います。

2-1. MACアドレスの学習

先程のフィルタリングで使用する「MACアドレステーブル」ですが、初めはMACアドレスとポートの情報が登録されておらず、どのポートにどの端末が接続されているのかが解らない状態になっています。

そのため、スイッチはデータを転送しながらの状態でMACアドレスを学習することになります。


まず、初期の状態(出荷状態)や再起動の後のスイッチですとMACアドレステーブルには何も情報が登録されておらず、MACアドレスをまだ学習していない状態になっています。

この状態でスイッチに接続されているPC1から、他のPC2へ通信を行うとスイッチはPC1からフレームを受信して、送信元と宛先のMACアドレスを確認します。

その後、送信元のPC1をスイッチへ紐づけ、MACアドレステーブルへ登録。

そして、宛先のMACアドレスを基にMACアドレステーブルを検索し、その情報が登録されていないことを確認すると、送信元いがいのポート全てへフレームを送信します。

この動作を「フラッディング」といいます。


次に、フレームを受信したPC2は自分宛の情報なのでそのまま処理し、その他のPCは自分宛のフレームではないため破棄します。

そして、PC2はフレームを受け取ったことをPC1へ報告・応答する必要があるため
フレームをPC1へ向けて送信します。

この時の送信元はPC2のMACアドレスとなり、宛先はPC1のMACアドレスとなります。


そして、このフレームを受信したスイッチは、送信元のMACアドレスと受信したポートを紐づけてMACアドレステーブルに登録します。

その後、フレームの宛先MACアドレスを基にMACアドレステーブルを検索すると、既に登録されているアドレスのため、どこに接続されているものかが理解できるので、その端末にだけフレームを転送します。

これ以降は、MACアドレステーブルに情報が登録されたのでPC1からPC2へフレーム送信する場合、MACアドレステーブルを参照して、該当のポートから転送を行います。

この様に、MACアドレステーブルに登録されている場合はその端末だけに送信され、そうでない場合は全体に送信される、という動きをします。


また、登録されたMACアドレスは一定の時間内で全く通信がされていない場合、MACアドレステーブルから、双方のMACアドレスが削除されます。

この機能を「エージング」と呼びます。

デフォルトでの設定では300秒になっており、この時間については手動で設定する事が可能で、機能自体をoffにすることも出来ます。

3. まとめ


お疲れ様でした。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

今回は大分ややこしい部分があったとおもいますが、何度か読み返すと解ってくると思うので、根気強く頑張っていただければと思います。


次回は、引き続きレイヤ2スイッチについて、今回で書ききれなかった部分をまとめていきます。