【初心者向け】Packet Tracerでネットワークを学ぶ(スイッチング③)

公開日: 2023/1/27 更新日: 2023/1/27
Packet Tracerでネットワークを学びます

1. スイッチの基本設定


1-1. IPアドレスの設定

スイッチもルータと同様にCLIで設定等が実施できます。

telnetやSSHでリモート接続も可能ですがIPアドレスを設定する必要があります。

スイッチでは物理インターフェースにIPアドレスを設定できませんが、管理VLANと呼ばれるVLANが用意されており、管理VLANにIPアドレスを設定することでリモート接続も可能となります。

デフォルトでVLAN1が管理VLANとなっています。管理VLANは他のIDに変更可能です。

コマンドはグローバルコンフィギュレーションモードで以下を入力します。

#interface vlan


vlan-idはスイッチの使用により異なりますが1から4094までを指定できます。

図1は実際に管理VLAN1にIPアドレスを設定した図になります。

①interface vlan 1コマンドでVLAN1を管理VLANとして指定

②IPアドレスを設定

③インターフェースの有効化

【図1】


1-2. デフォルトゲートウェイの設定

異なるネットワークからリモート接続するにはデフォルトゲートウェイの設定も必要となります。

デフォルトゲートウェイはグローバルコンフィギュレーションモードで以下のコマンドを入力します。

#ip default-gateway


デフォルトゲートウェイなのでルータやL3スイッチのIPアドレスを指定してください。

2. VLANの基本設定


2-1. VLANの作成

VLANは1と1002から1005が最初から作成済みです。削除することはできません。

作成されたVLANの一覧を参照するコマンド(show vlan)があるのですが何も設定していないスイッチでshow vlanを実行すると図2のように表示されます。

【図2】


1と1002から1005が始めから用意されています。またインターフェースは全てVLAN1に所属していることが確認できます。

実際にVLANを作成してみます。

作成方法は2種類ありVLANデータベースコンフィギュレーションモードから作成する方法とグローバルコンフィギュレーションモードから作成する方法があります。


VLANデータベースコンフィギュレーションモードからVLAN作成

まず特権EXECモードにて以下のコマンドでVLANデータベースコンフィギュレーションモードへ移行します。

#vlan database


移行後、以下のコマンドでVLANを作成します。

#vlan [name ]


vlan番号は1から4094までが指定できます。

vlan名は省略可能ですが名前をつけることでVLANの用途がわかりやすくなります。

作成後はexitコマンドなどで特権EXECモードに戻ることで作成した内容を確定することができます。

図3はVLANデータベースコンフィギュレーションモードでVLANの10を作成した内容となります。

VLAN名はvlandbと設定しています。

①vlan databaseコマンドを実行、プロンプトが(vlan)#となる

②vlanコマンド実行(VLAN番号は10、VLAN名はvlandb

③exitコマンドで特権EXECモードに戻る。作成が確定される。

【図3】


※packet tracerで用意されているスイッチ「2960」ではvlan databaseがサポートされていませんでした。

「2950T」というスイッチを利用しています。


グローバルコンフィギュレーションモードからVLAN作成

グローバルコンフィギュレーションからVLANを作成するにはまず、グローバルコンフィギュレーションモードにて以下のコマンドを入力します。

#vlan


入力するとVLANコンフィギュレーションモードに移行します。

移行後はnameコマンドでVLAN名をつけることが可能です。

#name


最後はexitコマンドかendコマンドでVLANコンフィギュレーションモードを終了することで設定が確定となります。


図4はグローバルコンフィギュレーションモードでVLANの20を作成した内容となります。

VLAN名はvlanconfigと設定しています。

①vlanコマンドを実行。プロンプトが(config-vlan)#に変わる。(VLAN番号は20)

②nameコマンドでVLAN名をvlanconfigに設定

③exitコマンドで設定を確定させる

【図4】

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2-2. VLANの削除

VLANを削除したい場合はVLANデータベースコンフィギュレーションモードかグローバルコンフィギュレーションで次のコマンドを入力します。

#no vlan


デフォルトで作成された1や1002から1005は削

2-3. アクセスポートの設定

VLANを作成したら次にどのインターフェースをVLANに所属させるか設定する必要があります。

デフォルトではVLAN1の所属なので作成したVLANに設定し直さなければなりません。

アクセスポートにするには以下の手順を実施します。


①インターフェースコンフィギュレーションモードに移行する
VLANに所属したいインターフェースのインターフェースコンフィギュレーションモードへ移行します。

②モードをアクセスに設定する
以下のコマンドを入力しインターフェースのモードをアクセスにします。

  #switchport mode access

③VLANを指定する
所属するVLANを指定します。コマンドは以下になります。

#switchport access vlan

2-4. トランクポートの設定

VLANが複数のスイッチにまたがる場合はトランクポートの設定が必要となります。

手順は以下のとおりになります。

①インターフェースコンフィギュレーションモードに移行する
スイッチ同士を接続しているインターフェースを指定します。

②トランキングプロトコルの種類を設定
以下のコマンドからトランキングプロトコルの種類を設定します。

#switchport trunk encapsulation < dot1q | isl >

トランキングプロトコルをIEEE802.1QかISLか指定します。
機種によっては、IEEE802.1Qしかサポートしていない場合があり、その場合は上記コマンドは入力できません。

③モードをトランクに設定
以下のコマンドを入力しインターフェースのモードをトランクにします。

  #switchport mode trunk

トランクモードを設定するとデフォルトで全てのVLANが通過できるようになります。
トランクポートを通過するVLANを限定したい場合は以下のコマンドを入力します。

#switchport trunk allowed vlan

④ネイティブVLANを変更(任意)
ネイティブVLANの変更は任意となります。デフォルトは1となっていますが以下のコマンドを入力することでネイティブLANが変更できます。

#switchport trunk native vlan

2-5. VLAN番号の複数指定方法

これまでいくつかコマンドを紹介しVLAN番号をしているものがありましたが 複数のVLANを一括で指定する方法があります。

例えばVLAN作成時に以下のようにVLAN番号を入力してみます。

#vlan 10,20


カンマで区切ることでVLAN10とVLAN20が作成されます。

#vlan 10-20


-(ハイフン)で区切ることで10から20の計21グループのVLANを一括で作成することができます。